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2010年09月16日

本屋で

100915.jpgプチ忙しい山も峠を過ぎて、一寸ひと息。作業の内容もジャンルも異なる仕事をいくつも同時にしていたせいで、もとからとっ散らかった頭がさらにグツグツのごった煮状態に。気分転換に本屋さんに行ったら、知らない間に「せんとくん」のグッズコーナーにしゃがみ込み、物色してました。イカすシールがあったのですが、ひとまずスルー。それにしても「せんとくん」、見るたびにカワイさが増してくる。
登場した当初の「せんとくん気持ち悪い騒動」は何だったんでしょうか。(もちろん吾輩はまだ「せんとくん」という名前がない頃から彼を応援しており、「おならくん」というネーミング案を応募しました)今思えばあれは、ネイティブな縄文文化と管理され記号化された弥生文化のせめぎ合いだったんじゃないかと思います。こっぴどくいじめられた「せんとくん」がどちらにあたるかは、いわずもがなです。
さて、話はかわり、本屋さんを歩いているとトマス・ピンチョンの『メイスン&ディクスン』が出ているのを見つけてビックリ。と、カッコ良さげなことをいっても、前作の『ヴィンランド』も読んでいないし、『重力の虹』も途中で逃げ出したクチなので、‘読まんと裸で十字架に張りつけて女子大にさらすぞ!’と脅されない限り、読まないと思います。というか、喜んでさらされます。
何がいいたいのかというと、吾輩の性癖ではなく、ピンチョン同様これまた新しい作品(といっても随分前に発売されていたようですが)『南の子供が夜いくところ』を出していた恒川光太郎のことです。
この人はデビュー作の『夜市』で日本ホラー小説大賞をとったホープ。ホラーといってもおどろおどろしい作風ではまったくなくて、幻想的なダークファンタジーといった感じでしょうか。読んでいるうちにどこか別世界につれて行かれる感覚はアンビエント的ともいえます。シンプルな文章で、不気味なのに美しい世界を描き出す彼の作品はもっと多くの人に読まれていいはず。個人的には『夜市』に収録されている「風の古道」という短編がいちばん好き。
しかし、ちょっと難点が。作品自体はどれも素晴らしいのですが、カバーデザインが何とも……。

追記
偶然にもこのエントリーを書いた次の日に、新作『竜が最後に帰る場所』が発売されていました。

posted by ichio : 00:25 | | trackback (0) |