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2010年12月15日

おかしな歌詞

101215.jpgガンジーの次に広い心を持つと言われる吾輩は、このブログでも褒めることを基本スタンスとしているのですが、先日テレビで某歌番組を見てちょっとボヤきたくなりました。
吾輩が日本のポップミュージックをあまり聴かない理由のひとつに、「歌詞のうっとうしさ」があります。歌っている内容は日本も外国もたいして違わないんでしょうけど、意味が分かるだけに拒否反応を起こしやすいワケです。
しかも近頃のポップミュージックは、“踊ろうぜベイビー、オールナイト”といった思考をとことん排除したゴキゲンなものではなく、何かを語ろうとしているから余計に小骨がノドに引っかかったみたいに気持ちが悪いんですよね。メッセージを発信するのは別にいいんですけど、今の歌詞は誰も文句の言えない正論の説明ばかりで、つまらん先生の道徳の話を聴いているような気がします。
例えば、「こんな状況で、こんなことを思ったから幸せだよねぇ。だからこれからも、ずっとこのまま変わらずに」といった感じです。そんなことを聞かされて何が嬉しいんでしょうか。こんなものは共感ではなく、ステレオタイプなイメージをなぞっているに過ぎません。(この文句もステレオタイプやないか!と言われると、ぐうの音もでませんが)
しかも歌と聞き手の距離感を無視してネチネチまとわりついてくるので、「何が言いたいねん!」と声をあげたくなってくる。要するに、一緒にお酒を飲みたくない人と同じ「うっとうしさ」があるんです。これで「泣き」が入ってきたらもう最悪。‘オシッコしてくるわ’と言って、そのまま帰ってしまいます。
やっぱり歌詞というのは、シンプルにズバッと核心をつくもの、つくり手の押しつけでない感情や風景が浮かぶもの、ワケもなく頭にこびりつく響きのあるものであるべき。
自分で「アーティスト」と言って大きな顔をするなら、このことにチャレンジする意気込みくらいは見せてほしいものです。

posted by ichio : 22:06 | | trackback (0) |