KITSCH PAPER

HOME BOOK DAIRY MOVIE MUSIC ETC
Oh my Buddha!It is such a wonderful site that it's unbelievable.
2011年01月16日

酔いどれ

20110115.jpg男という生き物は、誰しも多かれ少なかれアウトローに憧れを持っているものです。そして、「酔いどれ」という言葉にクラッときて、お酒を飲む自分に酔う時期があるものです。吾輩も大学時代、友だちからトム・ウェイツを教えてもらい、その酔いどれぶりにしびれて昼間っからジンを飲んだりしてイキっていたことがあります。しかし、お酒が強くないこと、カッコつけてもモテないことが分かると無理するのがアホらしくなり、すぐさまおとなしい小市民におさまりました。
大体モテる男の酒の飲み方というのは、腰がすわっていてカラダの軸がブレない。朝礼で「はい、そこの男子、頭をフラフラ動かさない」と注意される小6のように落ち着きのない吾輩は、スタートラインですでにダメだったことが今では分かります。
そんな悲しい悟りをひらいたせいで酔いどれへの憧れも薄れ、お酒を題材にした音楽や小説などとも縁遠くなっていました。しかし、ひょんなことから『レギュラーズ』という写真集を見つけて酔いどれ熱が再発。サラ・ストルファという写真家によるこの作品は、彼女自身がバーテンダーとして働くバーに訪れる常連客にレンズを向けたもの。かつての吾輩のように酔いどれ熱を発症している若者、風呂場に置く滑らない石けんケースみたいなチープな商品を売り歩いていそうなオッサン、ほぼ終わっているオヤジなど、客のタイプはさまざま。(こんなに年齢、職業、タイプを問わず集まる酒場って、今の日本にはなかなかないですよね)ただ、みんな、‘なぁ、ちょっと聞いてくれよ’と、締まりのない話をダラダラしそうな雰囲気を持っているのが共通。お酒をチビチビ舐めながら、一人ひとりの物語を想像すると楽しいんじゃないでしょうか。

posted by ichio : 01:37 | | trackback (0) |