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2011年04月09日

断捨離な映画

110409.jpg近頃せっせと断捨離に勤しんでいます。「物質文明に飽き飽きしちまったのさ」と、ニヒルな笑みを浮かべたいところですが、単に来年小学校にあがる子どもの部屋に置いている本やビデオテープを整理せざるを得ない状況になっているだけの話です。
極力手ばなしたくないので、大人部屋の棚やクローゼットに詰め込まれたアイテムをあれやこれやと積み替えて何とかスペースをつくり出そうとするものの、狭小住宅ゆえすぐ限界に。
仕方なく二度と読まないであろう本を捨てる。次に小学生の頃から撮りためていた映画やバラエティ番組のビデオテープに着手。これには当時のテレビCMも入っていてもったいない気もしたのですが、今のご時世YouTubeで見ることができるので思い切って処分。そう考えると、映画もレンタルすればいいんじゃないの?という気がしてきて次々に処分。勢いにのって、ここ何年フタを開けるどころか、ジャケットすら見たことのないCDも処分。(なかなか調子良さそうに書いてますが、陰で捨てたビデオに入っていた映画をDVDで買い直すという、何だかよく分からない行動をとってます)
こんな感じでかなり思い切って整理しているわりには、見た目はそれほど変わらず。そうなると、断捨離に関係のないつれ合いが読まない雑誌のバックナンバーを大事に置いていることに腹が立ってきてギリギリと奥歯をすり合わせる状態に。いろんな意味で断捨離の道はきびしいです。
さて、DVDで買い直した映画に、ジム・ジャームッシュの『ストレンジャー・ザン・パラダイス』と『ダウン・バイ・ロー』があります。2本とも最後に観たのは15年ほど前。何も起こらず、気だるい会話が延々つづくイメージだったのですが、今観直すと展開がはやくてビックリ。今どきの2時間半を超える情報テンコ盛りの映画の方がよっぽどノラリクラリしているように感じます。やっぱり映画は1時間半くらいにまとめる方が良いですね。そういう意味では、ジャームッシュは派手な展開やアクションをできる限り捨て去る断捨離精神で映画をつくっているといえるでしょう。その代わりに画面構成にこだわり、1シーン1シーンがひとつの画として成立するようにしているのが初期作品の特徴。近作はそれすらもうるさいどばかりに排除しているようにうかがえます。ジャームッシュはそのうちサイレント映画が撮るんじゃないでしょうか。

ところで『ストレンジャー〜』の主人公ウィリーの部屋、いいですねぇ。テレビとベッド、調子の悪い掃除機くらいしかない、あのシンプルさ、妙に心地良さそう。吾輩もあれくらいサッパリすればと思ったりもするのですが、サッパリする意味も特にないのでこれからも物欲にまみれて生きていこうと思います。

posted by ichio : 22:12 | | trackback (0) |