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2011年04月14日

『ザ・キング・オブ・リムス』を聴く

110414.jpgレディオヘッドのニューアルバム『ザ・キング・オブ・リムス』がリリースされ、はじめてタイムリーに聴きました。
このバンドは『キッドA』を出してから常に新しい音を期待され、新作が出るたびに何の話をしているのか分からないディスクレビューがメディアにあふれ、バラモン的なポジションにまつり上げられるという、本人たちも困った状態にあるように思います。トム・ヨークがしょうもない下ネタを言っても、‘心の奥に潜む闇のメタファーだ’とか何とか言って、ありがたがられる勢いです。トム・ヨーク本人にしてみれば、「ただチ◯コって言ってみたかっただけやのに…」って感じでしょう。下ネタをシリアスに受け止められる、これってある意味最悪の状態です。
ちなみに元オアシスのリアム・ギャラガーは、‘樹齢1000年の木にインスピレーションを受けたって? せめて先週植えた木について何か書いてみろってんだ’と、やっさんみたいなことを言ってますね。

じゃあ、お前は『ザ・キング〜』をどう思うんだ?ときかれたら、ズバリ、‘わかりませんッ!’と答えます。カッコいいことのひとつやふたつ書いてみたいのですが、何回聴いてもコレといった印象もなく終ってしまうのだから仕方ありません。
そう、すぐ終る。これだけははっきりしています。CDが普及してからアルバムは1時間を超えるボリュームが当たり前になりましたが、『ザ・キング〜』は40分弱。昭和的に言えば、46分テープに余裕で収まります。すぐ終るから反射的にまたプレイボタンを押し、繰り返し聴いているうちに好きになっている。そんなパターンのアルバムかもしれません。これくらいのボリュームがちょうど良いですね。
40分に満たない時間を構成する8つの曲は、おしなべて地味。『OK コンピューター』のようなドラマチックな展開も、『キッドA』や『アムニージアック』のような分かりやすいエレクトロミュージックへの傾倒もありません。あるのは、自分たちが奏でることのできるナイスな音楽を、ありのままカタチにするというスタンス。
レディオヘッドはこれからどんどんメジャー感が薄れ、派手な変化もなくなり、音楽ライターさんから‘書きようないな’とぼやかれるようになり、次第にメディアの露出も減っていくでしょう。
もう、そろそろ、彼らの軽い冗談にツッコミを入れてあげてもいいんじゃないでしょうか。

posted by ichio : 21:55 | | trackback (0) |