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2011年05月17日

食わず嫌い

20110517.jpg食わず嫌いというのは写真の男性のことではなく、いちご大福のことです。一度も食べたことがないので味は分からないのですが、あんこだけでは飽き足らず、いちごまで埋め込む欲張り具合がどうにも受けつけません。また、餅・あんこ・いちごを一緒にかじる食感も、想像するだけでムズムズしてきます。

ある時期までこれと同じ感触だったのが、ストリングスを大々的に取り入れたポップミュージック。吾輩にとってポップミュージックは、シンプルな編成でシンプルな曲を鳴らすイメージがどこかにあって、ストリングスのゴージャスな音色や仰々しいアレンジがかぶさると、百貨店でくたびれたカバンからビトンの長財布を出して買い物をするオバさんみたいにチープに思えて、いまいち好きになれませんでした。
そんな偏食ぶりをほぐしてくれたのが、エバートン・ネルソン(写真)とウィル・マローンという2人のアレンジャーです。
エバートン・ネルソンをはじめて知ったのは、坂本龍一の「トリオ・ワールド・ツアー 1996」。このとき彼はヴァイオリニストとして参加していて、‘ヴァイオリンをこんなにカッコ良く弾くことができるんだ’と、ビックリしました。その後、サイレント・ポエツや4ヒーロー、ビョークなどで、イカすストリングスだなと思った曲にはことごとくエバートン・ネルソンのクレジットがありました。彼のアレンジの特徴は、クラシカルなテイストなのにポップミュージックやクラブミュージックにマッチしていること。これはメロディだけでなく、リズムに対する鋭い感覚がなければ絶対にできないスゴ技です。
ウィル・マローンに出会ったのは、ザ・ヴァーヴの『アーバン・ヒムズ』。キャバ嬢の盛りヘアのようなド派手に装飾されたストリングスは胸ヤケするはずなのに、彼のアレンジは曲にスケール感と叙情性を与えていて、目からウロコがでる思いでした。プロフィールを見たら、60年代から活動しているようで、かなりお年のはず。なのに、マッシヴ・アタックやUNKLEとも仕事をするトンガリよう。
エバートン・ネルソンとウィル・マローンの仕事は、これからも注目です。

こうやって考えると、いちご大福も美味しいところのものはさぞかし絶品なのでしょう。最初にどこのいちご大福を食べるか、そのセレクトあるいは巡り会わせで、出会い頭事故になるのか、一生のおつきあいになるのかが決まってしまいます。‘ここのは絶対に食べろ!’といういちご大福があれば、ぜひ教えてください。

posted by ichio : 01:28 | | trackback (0) |