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2011年06月05日

『安藤忠雄の都市彷徨』

20110605.jpg旅は人間をつくる。僕もまた、世界中の都市という都市を訪れ、通りという通りを巡り、路地という路地を歩き重ねてきた。緊張と不安のなかで見知らぬ土地をひとりさ迷い、孤独に苛まれ、戸惑い、途方に暮れ、しかしそこに活路を見いだし、なんとか切り抜けながら旅をつづけてきた。(中略)旅は孤独だ。そして予期せぬことにしばしば出会う。人の人生もまた同じだ。

『安藤忠雄の都市彷徨』に書かれたこの序文を読んだだけで、フワーッとした気分になってしまいます。素晴らしい。
この本には、闘う建築家、安藤忠雄が世界のさまざまな都市を訪れ、建築や街の息づかいにふれて感じたことが書かれています。旅の大半は、安藤氏がまだ建築家として名を馳せる前に鞄ひとつで出掛けた体験が出発点になっていて、それらの旅は今もつづいていることが伝わってきます。よく言われることですが、旅ってカラダ以上に心が動くんですよね。
吾輩は滅多に旅に出るタイプではありませんが、いや、だからこそ ‘新たな発見’や‘ノスタルジー’など、特別な憧れを持っています。
ちなみに人にはあまり知られたくないのですが、吾輩にはひとり旅に出て悦に入るシーンを想像して聴く曲「旅ソン」がいくつかあります。
‘カワイイ彼女がほしい〜!’と毎日悶絶していた(実際は聞いちゃいられないほど悲痛な叫びでしたが)若い頃の旅は、40を過ぎた今でもふとした時に思い出し、当時から変わったことや変わらないことに思いをめぐらせます。
また、この本を久々に本棚から出したことで、はじめて読んだ時とは違う感想が出てきたりして、読書という体験も旅なんだなと改めて感じました。

posted by ichio : 11:45 | | trackback (0) |