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2011年11月23日

深化するトム・ウェイツ

111123.jpgトム・ウェイツがえらいことになってます! “イカす”オヤジは世の中にままいらっしゃり、“イカれた”オヤジも家でウンコを煮込む人を筆頭にチラホラお見受けしますが、“イカれていて、イカす”オヤジは、この人しかいないんじゃないでしょうか。
キャラクターだけでなく作品でも唯一無二の世界をつくりつづけている彼が、オリジナルアルバムとしては7年ぶりとなる『バッド・アズ・ミー』で、さらにディープな世界に突入。
今回は『リアル・ゴーン』で封印していたピアノが復活。デビユー以来描き続けている“夜の街”のイメージに、『ボーン・マシーン』から開拓しているジャンクな世界観とパーカッシヴなサウンドを合体させ、デビッド・リンチも真っ青なビザール・ワールドをつくりあげてしまいました。
これは偶然の産物ではなく、最初からねらっていたことが、スリーブにある写真からも分かります。ヘベレケなようで、この確信犯ぶりはまさに酔拳。60歳を超えてこの切れ味の鋭さ、スゴ過ぎです。
今作にはキース・リチャーズやレッチリのフリーなど、大物ゲストの参加が話題になっていますが、それよりも注目したいのがマーク・リボーのギター。彼は『レイン・ドッグ』以来、トム・ウェイツには欠かせない存在になっていますが(『ボーン・マシーン』には不参加でしたけど)、今回の演奏はその中でも特別な出来映え。この人、コステロやアート・リンゼイ、デヴィッド・シルヴィアンなどの作品でも絶品のプレイを聴かせてくれます。
そんな強烈な個性を全部飲み込んでオンリーワンの世界をつくりつづける毒マムシことトム・ウェイツからまだまだ目が離せません。

posted by ichio : 22:31 | | trackback (0) |