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2012年01月13日

B-BOY&B-GIRL

120113.jpg“伝統と革新の融合”というスローガンはいろいろなフィールドで掲げられていますが、それは仏像の世界も例外ではありません。従来の教科書的なスタンスで“ありがたみ”をアピールするだけではほとんどの人が関心を示さず、存在自体が忘れ去られてしまうことになる可能性だってないとは言えません。仏像の魅力や伝統文化を伝えるためには少なからず今の時代に響くアプローチが必要です。“そんな軽いことできるか!”というご意見もあると思いますが、困っている人のところまで行って救いの手を差し伸べてくださる仏様もいらっしゃるのですから、時代に合わせてアプローチ方法を変えるのは仏像さんたちもOKなんじゃないでしょうか。少なくとも奈良は「せんとくん」を生み出すようなアグレッシヴな姿勢を持っているので問題ありません。
そういう意味では、JR東海のキャンペーンCM「うまし うるわし奈良 東大寺〜戒壇堂篇」は四天王を前面に押し、頭の中で「スモーク・オン・ザ・ウォーター」が爆音で鳴り響くロックテイストあふれるナイスな仕上がりになっています。
四天王とは仏様を守る異能精鋭部隊。みうらじゅん氏はその出で立ちをしばしばロックバンドに例えていますが、東大寺の四天王は数ある四天王像の中でもとびっきりの重厚感を誇る大御所バンドです。特に世の中のすべての苦悩を背負い込んでいるような顔をした広目天(ベース)と多聞天(ドラム)の深みは尋常ではありません。普段は派手な増長天(ボーカル)と持国天(ギター)に目がいきがちですが、ここはベースとドラムが目立つモトリー・クルー状態になっています。

ところで近頃ひしひしと感じるのが大物ロックバンドの高齢化。ストーンズのメンバーは70近くだし、ニューウェイヴといわれる人たちも今や立派なオールドエイジ。彼らのようなスケール感のある若い世代というのもそれほど出ていないようだし、もはやロック自体が若者のカルチャーではないのかも知れません。

ということで仏像界も今後はロックテイストだけでなくストリート感覚を取り入れたアプローチをとるのもいいんじゃないでしょうか。まずはパイオニアがダンサー仕様のオーディオに力を入れているのに乗っかって、ビートの利いた声明で踊ったり、街中でラップのようにお経をあげるB-BOY&B-GIRL(「B」はもちろんBUTUZOUの「B」)が現われるシーンをつくってはどうでしょう。

posted by ichio : 14:21 | | trackback (0) |