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2012年11月12日

“えい”画『ラストエンペラー』

121112.jpgベルナルド・ベルトルッチの代表作のひとつ『ラストエンペラー』がブルーレイ化されたので即購入。人によって評価がパッカリ分かれる作品ですが、個人的には大名作だと思っています。何といっても映像が息を呑むほどキレイだし、ストーリーもドラマチック。そして、東洋が舞台なのに西洋映画のド真ん中というつくりで、歴史物でありながらすごくモダンという倒錯感が刺激的です。確かに“なんで中国人が英語で喋っとんねん!”という居心地の悪さはありますが、それは『キャプテン翼』に慣れ親しんだ者ならうっちゃれるはず。

細かな仕様にこだわるタイプではないので詳しくはないのですが、『ラストエンペラー』はいくつかのバージョン・画角があるらしく、これまでにDVD化されたもの(これもいくつか種類があるでしょうか?)は不評で、今回のブルーレイにはそんな熱烈なファンも一応は納得のバージョンが収録されているそうです。
VHS版しか持っていない吾輩としては華麗な映像をブルーレイの画質で観ることさえできればいいと思っていたのですが、いざ観てみるとちらつきが目立つシーンが結構あり、ブルーレイならではという満足感はなく、ちょい残念。
でも内容は、華のある栄画、鋭い感性みなぎる鋭画、詩的な美しさあふれる詠画、イメージの大海を駆け巡る泳画、そしてすごーく時間の長い永画と、映画のいろんな醍醐味を味わえます。

興味深かったのは特典映像に収録されているデヴィッド・バーンのインタビュー。この作品の音楽は坂本龍一とデヴィッド・バーン、スー・ツォンの3人が担当し、それぞれ別々に作曲するというイレギュラーな手法が採られました。使われ方としては主に教授の曲は時代のうねり、デヴィッド・バーンは主人公である溥儀の「個」の部分を担っていて、ベルトルッチがどのような依頼の仕方をしていたのかずっと知りたかったのですが、インタビューでシーンごとに割り振っていたことが分かりました。もしや、3人にすべてのパートを作曲させて、気に入ったものだけをチョイスするというキツい方法かもと思っていたので、ちょっとホッとしました。ただベルトルットがどんなイメージで割り振ったのかまでは分かりませんでしたが、この辺のところは分からないままにしておいた方がロマンチックですね。

posted by ichio : 21:59 | | trackback (0) |