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2013年01月24日

価値観を揺さぶる『ヴァンビロス・レスポス』

130223.jpg“別に人に迷惑かけてないし”
開き直り、甘えきった言い分で、『戦メリ』の内田裕也のように“何を言っとるかぁ”と叱りつけたくなります。が、時にはそう言いたくなることがあるのも確か。
給料のほとんどをギャンブルにつかう、ご飯も食べずひたすらゲームをする、電車の中で化粧をする、クリームパンとあんパンを両手に持って交互に頬ばる、女装をして町内会に出席するなど、放っておいてほしいことは人によってさまざま。僕の場合は『ヴァンビロス・レスポス』という映画を観ることがそうです。

DVDのパッケージはオサレ風味で、カルト作品なんていわれたりしているようですが、騙されてはいけません。女ヴァンパイヤと欲求不満のキャリアウーマンが、いけない‘あんなこと’‘こんなこと’を延々しつづけるだけ。
すみません、一個人の印象だけでそんなことを言ってはいけませんね。
訂正します。凡人では理解不能な先鋭的カメラアングル、頭が真っ白になるアイロニーに満ちたイメージシーン、時間と場所の整理がつかないアバンギャルドな編集、脳みそがひきつるほどのサイケデリックサウンド、そしてカラダも心も萎えてさせてしまう美魔女の絡みが一体となり、“良い映画ってなに?”と、観る者の価値観を揺さぶってきます。人生のうちの90分を贅沢につかいたいと思う方はご覧になってもいいんじゃないでしょうか。

そんな問題作を、早送りボタンを押さないよう我慢して観ていたら、つれ合いに呆れられる。そこでズバッと“別に人に迷惑かけてないし”と言い返したいところなのですが、根が素直なので倍速にしてそそくさと終わらせて、NHKで放送していた「深海の超巨大イカ」にチャンネルを合わせたら、こっちの方がとんでもなかった。マジ、デカい。『海底五万マイル』や『ザ・ビースト 巨大イカの逆襲』って、リアリティ溢れる映画だったんですね。

posted by ichio : 00:30 | | trackback (0) |