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2013年03月13日

『ザ・スライドショー12』

130313.jpg“5.5億円、欲しい〜!”“真木よう子、ええわぁ〜”と同じくらいのボルテージで、“なんぼ探しても見つからへんわ!”と叫びたいことがあります。
それは、日本人の「啓発され好き」について。事あるごとに「自分さがし」と言って遠くを見る顔をして旅に出る。そして本屋さんのイチ押し棚には経営者やアスリート、クリエイターによる啓発書がズラリ。何か、“人と同じことなんかするんじゃねぇ〜”とか叫びながら、みんな同じ動きをして盛り上がるコンサートとダブります。(僕は常に「自分さがし」をしている人を「自分ハンター」と呼んでいます)
だいたい上司や伴侶からのアドバイスでさえも“うっとうしい”と拒絶している人がこんな本を読んで変わるなんて、僕が真木よう子に惚れられるくらいの確率、つまり巨大隕石が頭の上に落ちる確率よりも低い、限りなくゼロに近い出来事です。しかも成功の秘訣をダイジェスト的にゲットしようという魂胆が横着。
気づきとはいろんなところを彷徨った末、思いもよらないところで出会うもの。求める志は大切ですが、それにしばられていては同じ方向しか見ることはできません。

なぜ成功もしていない僕がこんな偉そうなことを言うのか。それは、あっちに行ったりこっちに来たりの過程で出会ったからです、「みうらじゅん」という師と。これまで みうらさんには、どんなくだらない考えも捨てずに自信と恥じらいを持って発信する大切さと、異なるものをつなげる柔軟性を学びました。(同じ意味で細野晴臣さん、ビースティ・ボーイズも尊敬しています)
みうらさんといえば「マイブーム」「ユルキャラ」の生みの親であり、昨今の仏像ブームの発信源でもあります。近年の活動はくだらなさを突き抜け、もはや民俗学者やお坊さんよりも深い域に達しています。
そんなみうらさんのライフワークであるスライドショーの最新作『ザ・スライドショー12』がドロップされました。(残念ながらライブには行けず…)今回のテーマは彼にとって原点回帰といえる、見仏記。といっても話題は最初からあっちこっちに脱線。でも、誰よりも真に迫っていて説得力があるんです。それはきっと愛があるからだと思います。
人生に無理矢理「目的」とか「結果」なんてものをくっつけるから息苦しくなるんです。そろそろ視点を自分ではなく、愛する誰か(何か)に向ける頃でしょう。

posted by ichio : 00:00 | | trackback (0) |