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2013年03月22日

男のロマン描く『髪結いの亭主』

130322.jpg最近、某メジャーリーガーの元妻がヒップだけではもの足りず愛車のポルシェまで見せびらかしたためにブーイングを食らっているようですね。哀しいことです。
批判している人は銭ゲバだの、品がないだの、いろいろ理由をくっつけていますが、要は嫉妬。どうして素直に“うらやましい”と言えないのか。僕なんか心の底から純度100%で“うらやましい!”と言い切れます。
だって、この世で考えられる最高のポジションじゃないですか、成功者の伴侶って。成功者本人は激務に追われ、いろいろなところからプレッシャーを受け、ハンパなく重い責任を背負っていることでしょう。それに比べ、パートナーの方は…。もちろん陰で支えるという大変な役目があるのは分かっています。が、しかし、やはり平日の朝からデパートの外商でショッピングをして、その後おいしいんだかまずいんだか分からないフレンチのランチを食べている光景が頭に浮かんでしまうんです。あぁ、うちのつれ合いも何か間違ってカリスマ主婦になってくれないものですかねぇ。

そんな他力本願男子の夢を描いた映画の最高峰として挙げられるのが『ビッグ・リボウスキ』と『髪結いの亭主』。『ビッグ・リボウスキ』は前にこのブログで取り上げたので、今回は『髪結いの亭主』をピックアップ。
話は、子どもの頃から髪結いの亭主になることを夢見ていた初老の男が、偶然立ち寄った理容店で運命の人と巡り会い、めくるめく日々を送るというもの。こういう話に出てくるチルアウトな男というのは、煩悩が乾いている「ほっこりキャラ」が多かったりするんですが、この男の場合はギンギン。いや、むしろ変態。しかも、すごい美人が嫌な顔ひとつせず、おかしな男のおかしな夢を実現させてくれるのですから、オッサンとしてはアベノミクスなんて比べものにならないくらい期待がふくらみます。しかし、マチルドという美女は一体、何を考えているのか? さっぱり見えてこない。もしかしたら実際には存在しない、男の妄想なのかもしれません。
監督のパトリス・ルコントは「出会いと別れ」という映画の王道テーマを描きつづけていて、単なるいい話ではなく、エロとセットにして描くところがいい。しかも彼のエロにはニオイがある。官能とは、石に下で蠢く虫みたいに湿ったところでグニョグニョしているもんです。
もちろんこの作品でも強烈な結末が用意されています。観賞後、きっと話が盛り上がると思いますので、カップル、ご夫婦で観るのがグッドです。

posted by ichio : 01:13 | | trackback (0) |