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2013年05月19日

地獄の散歩

130519.jpg好奇心よりも切羽詰まった状況が人を動かすことを、身をもって知りました。
近頃、「ロングトレイル・ハイキング」とかいう、山歩きがイカすそうですね。
もともと歩くことが好きで、季節も良いし、トライしてみたいと思っているものの、仕事の都合でなかなか実行に移せず。
でも、そんなことは言い訳です。ホントにやる気があるなら、僅かな時間でも見つけて出かけるはず。そうは知りつつも、「まずは雑誌なんかで載っているアウトドアファッションをゲットしてから行こう」と、あぐらをかいたら天誅が下りました。

仕事の打ち合わせが終わり、終電で帰るために財布を開けると、89円しか入っていない。さっきまで打ち合わせをしていた人はタクシーに乗って悠々と帰路についている。もちろん銀行のATMは閉まっています。コンビニ銀行を使ったら、対象外でカードを突っ返される。仕方なく住宅ローン用の口座のカードを使ったら、残金が1000円に満たないので引き出せないとのこと。そうこうしているうちに終電が出発。
万事休す。
タクシーという手はあるのですが、5000円はかかりそう。レコードや本ならいくつか買えるし、ちょっと足せば新しいシャツなんかも買えてしまう金額です。
「アルイテカエル」
僕の中のスーパーコンピューターは、ベストな答えを瞬時に弾き出しました。
距離にして10キロ強。決して歩けない距離ではありませんし、学生時代なら1時間あれば走れた距離です。
しかも、考えようにっては、やりたいと思っていた「ロングトレイル・ハイキング」。

JUST DO IT!
ということで最初は快調に歩いていたのですが、だんだん喉が渇いてくる。しかし、ドリンクを買うお金はありません。仕方ないので、さっき打ち合わせをした企画のアイデアを考えて気を紛らわせようとしたら、いつの間にかセクシーな妄想に変わっていて、さらに喉が渇く羽目に。
しかも身体の水分が不足したせいか、急にネバネバした汗がふき出てくるではありませんか。お気に入りのドレステリアのサマージャッケットを汗まみれにしたくないので、汗をかかないよう、脳に指令を送る。(こういうのって、意外に効き目あります)
発汗を抑えられたかわりに体内に熱がこもり、喉の乾きはピークに。力なくヨタヨタ歩いていると、ファミレスの前にたむろしている若者が。
「水を一杯くれないかぁ…」
ケンシロウのようにお願いしようかと思ったのですが、「このオヤジ、ヤバい」とか何とかいわれて、巨万の富が眠る銀行のキャッシュカードを奪われるとマズいのでスルー。
さらに進むと、今度は喉の渇きを忘れるくらい腰が痛くなってきて、信号待ちをしているクルマの運転手が怪訝な顔でこっちを見るくらい、妙な歩き方になってしまいました。
しかしまぁ、何とか根性で家に到着。自宅の前に立った時は、亀田兄のように「しゃぁ〜〜!」という声とガッツポーズが出ました。

「ロングトレイル・ハイキング」、ハマるかもしれません。

posted by ichio : 17:08 | | trackback (0) |