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2013年06月04日

心に残る言葉

130604.jpg世の中は、心あたたまる言葉でいっぱいです。
しかし正直なところ、薄汚れ、ねじ曲がった僕の心では、「カリブーン」は耳についても、ハートウォーミングな言葉はスルー状態。稀に “ステキやん”と思っても、すぐにセクシーな妄想でかき消されてしまいます。
そんな僕にもひとつ、ずっと心に突き刺さっている言葉があります。

“怖いことを考えると、霊が寄ってくる”

誰がこんなことを言ったのでしょう。おかげで、今までどれだけ恐怖に震えたことか。真剣にどやしつけたい気持ちです。
40をこえた今でも時々この言葉が頭をよぎり、オロオロしてしまいます。しかもよりによって、つれ合いと子どもが帰省して、夜中に一人でイゴイゴしている時に思い出すんですよね。そうなると扉や窓の隙間、誰もいない暗い部屋に気配を感じて、背筋がゾワゾワ。そしてお決まりのようにオシッコがしたくなる。
仕方なく“お化けなんかいないさ〜”と、口ずさみながらトイレに行き、オシッコをしはじめると恐怖は一瞬薄らぐものの、勢いが弱まるにつれ後ろに誰かがいるような気がしてきて、まだ出し切っていない状態で僕のキュートなマイケルをしまい込んで退散し、ちょこっとパンツを湿らせてしまうのがいつものパターンです。

“霊なんか存在しない”、“いたとしても、いいヤツかも知れない”と考えたり、気をまぎらわせるために『Mr.Boo!アヒルの警備保障』を観ようとするのも怖いことを考えているからなワケで、結局 霊が寄ってくるという、ホントに恐ろしいチカラを持った言葉です。
今も、こんな文章を書いているせいで、この無間地獄に入りそうです。

こういう怖い時に頭に浮かぶのが、金田一耕助シリーズの『悪魔の手鞠歌』。まず、タイトルの響きが不気味だし、字ズラもおどろおどろしい。そして、とどめが作中に登場する、背中が曲がり、頭に手ぬぐいを被った老婆。霊ではなく生身の人間なんですが、僕の中では悪霊の象徴としてインプットされているんです。こんなふうに頭の中で膨らんだイメージは、どんな映像よりも破壊力があるので困ります。
さて、『悪魔の手鞠歌』は、市川崑の金田一シリーズの中でピカイチの出来映え。『犬神家の一族』と比べるとケレンミはありませんが、物語の完成度はこちらが上のように思います。
夏に待ちに待った廉価版のDVDが出るので、ゲットしなければ。でも、一人ではよう観れません。

posted by ichio : 22:34 | | trackback (0) |