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2013年07月24日

華麗に加齢

130724.jpgテレビで見るタレントさんでも、自分のまわりの人でも、ステキに歳を重ねている人とそうでない人にパッカリ分かれます。単に若く見えるとか、キレイだとか、貫禄があるとか、そういうんじゃなくて、その人が持つ空気感といえばいいでしょうか。多分ある年齢を超えると、カラダの内にあるものが『死霊のはらわた』状態でドバッと出てくるんだと思います。今までどのように生きてきたのか、今どのように人生と向き合っているのかが、顔のシミやシワなんかにあらわれてくる。だから、大人は自分の見てくれにも責任を持たなければなりません。40代半ばに差しかかりながら貫禄も落ち着きもない僕は、最近強くそう思います。貫禄や落ち着きを身につけるのではなく、貫禄・落ち着きのなさに責任を持とうと。

そんな生き方を、身をもって教えてくれるのが、ジョニー・マーです。
まず、彼が在籍したバンドやユニットを挙げてみましょう。
スミス、ザ・ザ、エレクトロニクス、ジョニー・マー&ザ・ヒーラーズ、モデスト・マウス、クリブス。その他にもセッション多数。
数の多さもさることながら、音楽のスタイルもバラバラ。オカンにバレたら“アンタは何ひとつ続けられへん子やな!”と、怒られるのは間違いありません。
でも、彼の場合はデビュー以来変わらない音楽に対する姿勢と、ミュージシャンとしてのポリシーがあるので、フラフラした感じがまったくない。
音楽に対する姿勢とは、“とにかく音楽が好き”であること。ギター少年がそのまま大人になった感じ。だから彼のギターはいつも若々しくて、どこか蒼いくさいカウパーが滲み出ています。そこがキュンとくるんですよね。
そしてミュージシャンとしてのポリシーとは、楽曲主義であること。彼にとっては良い曲を作り、ベストなカタチで奏でることが絶対であり、ギターはそのための手段のひとつ。だから彼のプレイには限られたフレーズしかないし、“オレを見やがれ”というスポットライト願望もない。この地味さが逆に、派手なポーズをキメてガンガンとソロを弾く、それまでのギターヒーローとは違うインパクトであり、カッコ良さでもあります。

ジョニー・マーのソロ1作目となる『ザ・メッセンジャー』が、この春ドロップされました。曲はシンプルで、弾けているというのが第一印象。ヒーラーズで試みたマイナーコードとロングトーンを活用した曲調が基本路線。ヒーラーズではグルーヴ感を前面に出していましたが、今作はそれよりもビートを打ち出しています。ギターもびっくりするくらいストレート。でも、若づくりしている感じはまったくしません。
スミスでのプレイは僕の音楽体験の中で大きな位置を占めているし、ザ・ザでのプレイにもシビレまくりました。そしてソロとなった今のプレイも、ジョニー・マーという人を正直に表していて好きです。彼なら歳を重ねてスタイルを変えていっても、いい音楽をつくっていくでしょう。是非ともコンスタントにアルバムを出してほしい。

サマソニに来るということで楽しみにしていたのですが、僕が行く日と違ってガッカリ。その替わりにローゼスで盛り上がります!

posted by ichio : 01:17 | | trackback (0) |