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2013年09月10日

『ダイ・ハード』な気分

130910.jpg「青天の霹靂」「寝耳に水」「寝起きにバズーカー」「AV鑑賞中に嫁さん」、思わぬ出来事は突然起こることは分かっているのに、大概は“まさか自分の身に降りかかることはない”と考えています。しかし起こり得るんです。誰の身にも、ドラマでしか見たことがないようなことが…。僕は今、そのことを身を以て感じています。今の気持ちを例えるなら、『ダイ・ハード』の主人公、マクレーン刑事しかありません。

巻き込まれ型アクション映画のさきがけであり最高傑作でもある本作は、公開から四半世紀経った今観てもおもしろいです。別居中の奥さんが務める会社(超高層ビル)のパーティーに渋々参加していたマクレーンが渋々テロに立ち向かうという受け身の設定が新しかったし、テロといっても単なる金目当てという「中身スッカラカン」な悪党像も、後のハリウッド映画や現実の動向を表していた。
このフレームを思いついた段階で「テラスハウス」の洋さんなら、 “なんか調子良くてさぁ…”と満足するところなんですが、この作品の脚本陣は容赦しません。この場所、この時だからこそ活きる細かい仕掛けと会話を積み重ね、荒唐無稽な話をよりドラマチックに、そしてリアルに仕上げています。
ご存知のように『ダイ・ハード』はシリーズ化されますが、後の作品は設定を焼き直し、スケールアップさせているだけでちっともおもしろくない。ビルやヘリコプターが爆発するからおもしろいなんてことではないはず。何が作品のおもしろさになっていたのか、そのエッセンスを見直してほしいものです。

「スケールアップ」って、昔からショボい話をデカく見せるハリボテになってましたね。「太陽に吠えろ」はスペシャル版になると決まって犯人が大物で、事件のスケールのデカさを打ち出すものの、いつもと違うことといったら、ボスが本庁に「途中で手は引かない」と電話することくらい。
これじぁ、スケールアップにすらなっていない…。

posted by ichio : 00:09 | | trackback (0) |