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2014年01月08日

瑞々しい感性を持ちつづけるベルトルッチ

140108.jpg40を過ぎたあたりからケガの治りが遅くなっているような気がします。秋口に擦りむいたところも長い間かさぶた状態がつづき、今もうっすら黒ずんでいる。認めたくありませんが、確実に肉体的劣化が始まっています。
この調子なら、目に見えない感性も衰えていると考えるのが自然。そういえば、新しいミュージシャンや俳優の名前がまったくおぼえられないし、学生服を着た子が中学生か高校生かの見分けもつかない。ちょっとヤバいかも…。ただ、レンタルするAVに出演している女優の年齢が高いのは今に始まったことではなく、僕の好みなので問題ないでしょう。
いずれにせよ、肉体も精神も錆びつかないようにお手入れする必要があるのは間違いありません。

そんな誰のもとにも忍び寄る精神的劣化を微塵も感じさせないのが、ベルナルド・ベルチルッチ。『ドリーマーズ』以来、約10年ぶりの作品となる『孤独な天使たち』で、御年72歳とは思えない瑞々しい感性を見せつけられてビックリすると共に感動。『ラストエンペラー』以降、悪くないけど特に良くもない作品が続いていましたが、快心のカムバック作となりました。
物語は、中2病真っ最中の男子、ロレンツォが学校のスキー旅行をさぼって自宅マンションの物置部屋に忍び込み、大好きな本や音楽を満喫する計画を実行するところから始まります。このシチュエーションだけでもワクワクしますよね。僕も小学生の頃、家の押し入れに隠れて、駄菓子を食べながらコロコロコミックを読みまくるというプチ家出をしたことがあるので、胸がキュンとします。(この時は、しびれを切らして足を伸ばした時に戸にぶつけ、その音でバレました)
そんな楽しい時間をロレンツォが堪能しようとした矢先、偶然、腹ちがいでジャンキーの姉が部屋にやって来て…という展開に。
ストーリーがどうのこうのというより、この年齢特有のひん曲がり具合がリアルに、そしてキュートに描かれていて、観ているうちに胸の奥がワサワサしてきます。
このワサワサ感は何だろうと考えてみたところ、子ども時代をふり返っているのではなく、自分の子どもがむずかしい年頃になった時、親としてどう接するのかという思いから来ていることが判明。やっぱり、もう、子どもの気持ちに返るのは無理ですね。
それと、テーマ曲になっているデビッド・ボウイの「スペイス・オディティ」の素晴らしさも改めて実感。
オヤジどもに観てほしい映画です。

posted by ichio : 00:38 | | trackback (0) |