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2014年02月25日

『スノーピアサー』

120226.jpg今年は2月に入ってからおもしろそうな映画が目白押し。限られた時間とお小遣いの中でどれをチョイスするか、仕事より悩んでしまいます。
とりあえず、いま観とかなアカン監督No.1のポン・ジュノ最新作『スノーピアサー』へ。
舞台は2031年。地球温暖化をストップしようと何やかんやしたら逆に氷河期がやって来て、残された人類は永久エンジンで走り続ける列車「スノーピアサー」に乗っている人たちだけに。この列車にはカースト制が敷かれていて、後ろの車両には貧困層がすし詰め状態で暮らし、前の車両では富裕層がラグジュアリーな暮らしを満喫しおり、「もう辛抱ならん!」と貧困層が革命を起こすという、大胆というか結構無理のある設定。(原作はフランスのコミックとのこと)
デストピア&密室劇という難題をポン・ジュノがどう料理するのかが、この映画の最大の見所。
結論から言いますと、おもしろい。
単調になりがちな密室劇ですが、車両を移動し、そこでいろいろな出来事が起こすことでクリア。さらに先頭車両にボスキャラと列車に関する謎の答えが待ちかまえていることが分かっているので関心が持続するし、舞台が列車であるべき仕掛けもあったりする。
これだけお楽しみ要素がテンコ盛りだと普通は破綻して、底ヌケ脱線大作になるんですけど、見事にまとめきっています。
役者もジョン・ハート、エド・ハリス、ソン・ガンホなど、渋くて濃いメンツが集結。あり得ない世界に説得力を与えています。
デストピアムービーの名作『1994』に引けをとらない力作です。

ところでこの映画には革命側の人たちと支配側の人たちとの戦闘シーンがあるのですが、僕はこういうシーンを見ると居心地が悪くなります。それは残虐な描写に眉をひそめているワケではなく、もし自分がこの場にいたら目立たないように後ろでモゴモゴ動いているフリをして、みんなが突撃した隙に隠れるに違いないと思うからです。情けないとは思いますがコワイんだから仕方ない。まぁ、そういう輩に限って惨めな最期をむかえるんですけどね。

posted by ichio : 23:23 | | trackback (0) |