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2014年03月13日

天国の扉

140313.jpg桃源郷って、ホンマにあったんですね。井川遥さんの「角ハイボール」バーを見て、僕の心はウキウキしています。何なんでしょう、あの大人の色気。誘っているのか拒んでいるのか分からない微笑みを直視したら、正気でいる自信がありません。
嗚呼、あのバーが近くにあれば、飲めないウイスキーでも「一杯つき合ってください」と言いに行くのに…。(僕が言うと何か気持ち悪い感じになって、「思てたんとちがう!」ということになるんでしょうね)
そんな僕の桃源郷気分に拍車をかけているのが、今回ピックアップルする2枚のアルバム、フアナ・モリーザの『ウェンズデイ21』と、ベックの『モーニング・フェイズ』。どちらもほとんど前情報なしに何となく購入したのですが、今年はこの2枚あればいいと思うくらいの傑作でした。
ふたつの作品に共通しているのは、“現実とかけ離れたどこか”へ連れて行ってくれること。音が鳴り出した瞬間、時間の感覚が吹っ飛ぶトリップミュージックです。
『ウェンズデイ21』はこれまでの延長線上にあるものの、よりリズムが強調されていて、生々しいギターとパーカッションを重ねることで生まれるグルーヴ感がスゴい。そこに彼女の浮遊感あふれるメロディと声がのっかると、『不思議の国のアリス』のような不思議ワールドに。デジタルとアナログをミックスしたエロクトロニカ〜フォークトロニカは数多くありますが、これだけの世界観をつくりあげる人となると、そうはいません。ジャケットも相変わらず狂っていてコワい。

そして、ベックの『モーニング・フェイズ』。散々『ウェンズデイ21』を持ち上げた後に何ですが、驚きと感動という点ではこちらの方が遥かに上でした。オープニングを飾る「サイクル」〜「モーニング」で炸裂する恍惚感と陶酔感。こんな言い方はしたくないですが、かなりヤバいです。
今作には彼の代名詞ともいえるケレン味たっぷりのサウンドコラージュはありません。本人はバーズやニール・ヤングなどのカリフォルニア・ミュージックがベースになっていると言っているようですが、それは音楽のスタイルだけでなく、きらびやかな世界の裏にある“儚さ”を言っているんだと思います。
作曲法もサウンドプロダクション(音響処理は必聴)も『オディレイ』や『グエロ』とガラリと変え、それを「こんなこともできます」という趣味的なスタンスではなく、本気で取り組み、こんなに素晴らしい音楽に仕上げてしまうベックに脱帽です。デビューからリアルタイムで聞いていますが、今作でファンになりました。
関係ないですが、ベックってドロロンえん魔くんに似てきましたね。

posted by ichio : 23:37 | | trackback (0) |