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2014年03月20日

摩訶不思議な世界

140319.jpg先日、小学2年の子どもに「好きなことばってなに?」と聞かれました。立派な大人なら座右の銘というものがあるのかもしれませんが、ゾンビ映画を観て真剣にビビっている僕にそんなものがあるはずがない。
「何にもない」と言うとがっかりさせるので、まじめに考えてみたところ、びっくりするくらい何にも浮かんできません。F1ターボエンジンのように頭をフル回転させたところ、浮かんできたのは「摩訶不思議」という言葉。なぜ、この言葉が浮かんできたのかは分かりませんが、他に候補がないのだから仕方ありません。
「摩訶不思議!」自信ありげにそう叫んだところ、返ってきたのは「イマイチ」という言葉。
何やねん、イマイチて。大喜利やないんやから、良いとか悪いとかないから。
イラッときて、そういう自分はどんな言葉が好きなのか聞くと、「きずな」という答えが返ってきました。…何か、立派ですやん。 
ただ、僕の「摩訶不思議」 もアリなんじゃないでしょうか。どんなことにも根拠や結果、責任が求められる窮屈な今の世の中にこそ、曖昧さやワケが分からないことって大切なんじゃないかと、後づけながら思うワケです。

ということで、『もうひとつの街』(ミハル・アイヴァス)という小説を紹介します。
もう、タイトルと表紙だけで、好きな人はグッとくると思います。イメージの通り、めくるめく摩訶不思議な世界が次つぎに展開するお話。雪降りしきるプラハの古本屋で、すみれ色の本を手に取った“私”は、見たことのない文字に誘われて、突然サメが出てきたり、ジャングル化した図書館やチベットまでつづく路面電車があらわれる街をさまようことに。
もちろん、なぜそんな異界に迷い込んだのか、不思議な出来事にどういう意味があるのかなどの説明はありません。だから読んでいておもしろいし、いろいろなイメージがふくらんで気持ちいい。チェコ〜プラハという、日本人にとってはミステリアスな舞台もナイス。
テーマパークに、この小説のような世界をさまよう大人のアミューズメントとあればいいのに。

posted by ichio : 12:19 | | trackback (0) |