めまいがする春休み
世の中はエロとビッチが変える。
そのことをハーモニー・コリンの目下最新作『スプリング・ブレイカーズ』が教えてくれました。
本意かどうかはともなく、物理的に仙人レベルの生活を送っている僕は、イマドキな女のコのライフスタイルに関してとんと無知なのですが、こんなことになってたんですね…。
田舎の大学生活に退屈しきっていた4人の女のコが刺激を求め、春休みにフロリダへ行くという普通のストーリーなんですが、内容が普通じゃない。まず、旅行資金がないので水鉄砲とスパナを持って、ダイナー強盗を決行。(ダイナーを襲うロングショットの長まわしはグッド)犯行後のあっけらかんとした姿は、まるでコンビニで唐揚げを買ったような感じでコワい。
いよいよフロリダに着くと、そこは連日連夜、音楽、アルコール、ドラッグ、セックスが入り乱れる極楽なのか地獄なのかわからない世界。
たまにアメリカ映画でこういう乱痴気騒ぎを見ますが、ホンマにあるんですか? あるなら死ぬまでに一度、あの揺れるバストで頬をしばかれてみたいものです。
前半はハイテンションで旅行を満喫したおすものの、徐々に雲行きがあやしくなってきて…という展開は定石。ただ、結末は再びビッチ炸裂! あきれるのを通りこして、さわやかというか元気が出てきます。
ハーモニー・コリンは、世間からうとまれる人たちが秘めた美しさを描き出すという今までの持ち味を活かしながら、より多くの人にアピールする術を手に入れた様子。彼の詩情性とブノワ・デビエの極彩色あふれる映像が合わさった世界観は一見の価値あり。チンピラを演じたジェームズ・フランコもグッジョブ!
オススメはしませんが、今の季節にピッタリの映画です。