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2014年06月11日

ジム・オルークさんに学ぶ

年を重ね経験をつむにつれ、いかんと分かっていても、なかなか人の意見を聞き入れることがむずかしくなるものです。はじめて仕事をする人にフレキシブルなマインドを持っていることを分かってもらおうと、メールに「ご教示くださいませ」と書いたところ、ド直球なダメ出しが返ってきて、腹立ちと恥ずかしさに耐えきれず、ついつい能書きを垂れてしまうなんてこと、ありますよね。

いくつになっても謙虚に学ぶ姿勢が大切。このことをジム・オルークさんに教えてもらいました。ジム・オルークは、バリバリの前衛音楽畑出身で、さまざまなジャンルを横断する世界屈指のミュージシャン。日本のミュージックシーンとの関わりも深く、近年は日本に住んで創作活動を展開しています。そんなジムさんが『平成歌謡塾』という番組に生徒として出演し、「矢切の渡し」の歌唱法を教わっているではありませんか。
普通こういう番組に出る場合は、あくまでもゲストとして出演し、洒落でチャレンジしてみましたというスタンスがお決まりですが、この人の場合はマジ。
しかもジムさんは終始モジモジうつむき加減で、不必要にペコペコおじぎをして「スミマセン」を連発。“演歌は日本人の心”といいますが、こちらが「腰ひく過ぎやろ」といいたくなるほどの日本人っぷりを発揮しています。
で、歌の方はというと、湿度低めな歌い方が逆に“もののあはれ”をかもし出していてグッド。彼の演歌カバーアルバム、聴いてみたい。

もうひとつ大きな発見となったのが演歌の歌いだし。むかし、日本語はロックに向かないなんて議論がありました。向いているのか向いていないのかは分かりませんが、単語・文法・イントネーションが違うと、例え同じメロディであっても言葉の乗せ方が違ってきますし、作曲となると昔から伝わる音階も影響し、日本独自のロックがつくられてきたのは間違いありません。
ノリでいうと、個人的には歌いだしが大きな要因になっていると思っています。英語には最初に「The」や「A」 などの冠詞がつき、歌ではほとんど発音されず、それがわずかなタメになり、グルーブ感を生むわけです。日本語にはこのタメがないため、グルーブ感が出にくいと思っていました。
しかし、この番組で演歌の先生は、「歌いだしにタメをつくりなさい」とアドバイスをするのです。感情表現をするためと説明されていますが、うねりを出すことに違いはありません。北島三郎とジェイムズ・ブラウンに共通点があるように感じていたのは、あながち間違いではなかったようです。日本のロックやJポップはよく知りませんが、演歌に学ぶことはたくさんあるんじゃないでしょうか。

posted by ichio : 21:40 | | trackback (0) |