今こそジャッキー・チェン

何かここ数年のアクション映画、好きになれないんですよねぇ。CG全開の映像はもちろんのこと、マーシャルアーツの振り付けも気にくわない。どの映画も同じ金太郎飴アクションだし、そもそもダンスみたいな動きで迫力がない。どこかしら化学調味料満載の料理を食わされているような気がする。
だからもちろん最近のワイヤーアクションも大嫌いです。というか苦笑してしまう。香港・中国のアクションを観ると必ずチャン・ツィイーがヒ〜ラヒラと木の枝や水面を渡り歩くシーンが出てきますが、一体あれをどう観たらいいんでしょう？ ワイヤーで吊られていることは知っている訳だから凄いなぁとは思えないし、動きもぎこちなく華麗ともいえない。それでも飛んでいる方の顔はいたって真面目。やっぱり笑うしかありません。
こんなんワイヤーアクションやあらしませんと言いたくなる、ワイヤーアクションの正しい使い方を教えてくれるのが成龍ことジャッキー・チェンの『ヤングマスター』。この作品は全編、迫力満点の生アクションで度肝を抜かされるのですが、その中でも圧巻なのがラストの決闘で蹴りを食らった時のフッ飛び具合。あれこそワイヤーアクションです。まだ観たことのない若人は絶対に観るべし！
ホンマ、『ヤングマスター』や『ドラゴン・ロード』、『プロジェクトA』の頃のジャッキー・チェンは凄い。彼が日本男子に与えた影響は高倉健や永ちゃんを凌いでいるんじゃないでしょうか。真剣に国民栄誉賞を考えるべきでしょ。