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2006年05月02日

勝手にギャラリー

060502.jpg街には日頃暮らしいてる世界とは違った重力がはたらいている空間があります。例えばお寺や霊界スポットなんかがそうですし、昔ながらの商店街もそうでしょう。そして、これからご紹介するストレンジゾーンもその仲間といってよいでしょう。
左の写真がそれです。誰もが見たことのある光景だと思います。かつてショーウィンドウだったスペースを勝手にギャラリーとして活用しているあの空間です。随分前にお店をたたみ、ホコリを被っているこの狭小スペースには、たいがい趣味を反映させた造形物が独自のセンスでディスプレイされています。吾輩はこの摩訶不思議な空間を「勝手にギャラリー」(略称:KTG)と名付けて、写真におさめることにしました。
いやぁ、この空間は深いですよぉ。本来の役目を終えて永遠の眠りにつこうとしているところを主人の訳の分からない情熱で叩きおこされるのですから、KTGにしてみればたまったもんじゃありません。しかも、ちゃんとディスプレイしてくれるならまだしも、見事にほったらかし。
この哀れな空間を見ると、店を開店させてから閉めるまでのかつての時間の流れと、ギャラリーとして新たな生命を与えられたものの過去の輝きを取り戻すことなく、このまま朽ち果てていくであろうこれからの時間の流れが同居しているように思えるのです。しかしふたつの時間はヘンテコなディスプレイによって分断され、交わることなくその場に沈殿していく。それが通常の世界とは異なる重力を生み出しているのだと思います。

しかし、何年も放置されていたディスプレイがある日突然変わっていたらそれはそれで怖い。うしみつ時に老婆がキョロキョロまわりの様子をうかがいながら、キューピーさんの向きを変えている姿って怖過ぎです。

posted by ichio : 01:20 | comments (2) | trackback (0) |

comments

なんとなく、中原昌也の「待望の短編集は忘却の彼方に」を思い出しました。

Posted by: ビトー at 2006年05月03日 18:52

ずっと気にはなってるんですが
中原昌也の本、読んだことないんですよ。
丁度、今読んでいる本が終わりそうなんで
次はコレいってみます。

Posted by: OKUMURA at 2006年05月04日 10:11

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