『ムーグ・パワー』のパワー
ちょっと前に取り上げたグレイス・ジョーンズのジャケットも凄いインパクトでしたが、こちらも負けていません。一見お洒落デザインに見えますが間近で見ると今のジャケットではありえないイイ加減さを発揮しています。子どもが描くイナズマ模様をバックに、オッサンの額にムーグの写真をペシッと貼りつけただけ。(オッサンの姿が山伏に見える)今、こんなジャケットデザインをプレゼンに持っていく度胸のあるデザイナーさんっていないんじゃないでしょうか。というか、つくる前に頭の中で打ち消してしまいますよね。でも、そんなデザインがイカすのだから世の中不思議です。
このレコードはラウンジミュージックのファンタジスタ、ヒューゴ・モンテネグロの『ムーグ・パワー』という作品。実は吾輩、間違ってオリジナル版ではなくベスト版を買ってしまいました。不注意な自分が悪いのかも知れませんがタイトルもまるっきり同じ、ジャケットも縁取りの有る無ししか違いがないってのも紛らわしいじゃありませんか。
吾輩が買ってしまったベスト版はA面がオリジナル版からのセレクトで、B面はスティービー・ワンダーのカバーなどグルーヴィーな曲が集められています。このいかにもアナログレコード的な構成、いいですねえ。
A面に収められている曲はソフトロック調のものが多くジャケットデザインに反して意外に普通。(でも、なかなか良い)聴きどころは何といってもB面のスティービー・ワンダーのカバー。スティービー・ワンダーといえばポップミュージックでいち早くムーグを取り入れたことで知られていますが、それをまたムーグを使ってリアレンジするヒネクレようがとっても素敵。しかもオリジナルよりずっとショボくなっている。でも、これがまたいい味出しているんです。計算でやっているのか、たまたまなのかはまったくの謎です。
間違ってベスト版を買って良かったかも。
comments
僕はこのおじさんを見て、バビル2世のヨミを思い出しました。
Posted by: MA2 at 2006年05月15日 12:19なるほど、ヨミですか。
確かに漂う怪しさは共通するものがありますね。
中学生と強面のオッサンのガチンコ対決、
事情を知らない人にどううつってたのか知りたいところです。