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2006年06月10日

元祖マイブーム〜『奇想の系譜』

060610.jpg表紙のヘンテコな龍に惹かれ、『奇想の系譜』(辻惟雄)という本を買う。内容はというと、今では人気も美術的評価も得ている岩佐又兵衛・狩野山雪・伊藤若冲 ・曾我蕭白・長沢蘆雪 ・歌川国芳(漢字を打つだけで疲れてしまいました)らの画家が、まだゲテモノ扱いされていた時代に、「異端」ではなく「主流」の中での前衛として評価することを試みた美術評。
なので、この本が世に出たのは35年も前のこと。ずっと高価な豪華本だったものが、やっと2年前に文庫化。といっても、吾輩はそんなことは何にも知らず、先ほど申し上げましたように、ただ表紙の龍にビビッときて買っただけのことでございます。
ここで紹介されている画家の絵は、確かにどれもエキセントリックで、グロテスクなんですが、それは伝統的な日本画を基準にして見るからで、キテレツなアートが溢れ返っている現代人の目で見ると、かなりイカす作品です。
個人的には山雪と蕭白の作品にかなりのインパクトを感じる。山雪の「寒山拾得図」という作品なんて、まるっきりエイフェックス・ツインの『カム・トゥ・ダディ』〜PVの世界ですから。蕭白の「雪山童子図」や虎の絵なんかもイカれたニオイがプンプンします。(実際この人たち、かなり変わった性格だったらしい)
この本は、紹介される画家だけでなく、紹介する著者もおもしろい。辻惟雄という人は凄く柔らかい感性の持ち主で、元祖マイブームと呼びたくらるような、みうらじゅん的な切り口で読む者をグイグイ引っぱっていきます。1.300円と文庫にしては高めの値段ですが、それだけの値打ちのある本です。

posted by ichio : 22:55 | comments (4) | trackback (0) |

comments

この本、おもしろそう。
日本画といえば大観の「無我」。

http://www.adachi-museum.or.jp/ja/c_taikan_2.html

表情、ヘアースタイル、着こなしがたまらない。
なんとなくホビットに見えるのは僕だけですかね。

Posted by: カトー at 2006年06月12日 20:36

そう言われてみると、確かにホビットっぽいなぁ。
下半身の寸詰まり具合が、そう思わすのかも。

去年、近所のレンタルビデオ屋が100円キャンペーンをした際に『ロード・オブ・ザ・リング』借りたんやけど、3作観るの、かなり辛かった。

この本、読みやすくて面白かった。
いい本って、分かりやすい。

Posted by: OKUMURA at 2006年06月13日 00:19

僕は歌川国芳の浮世絵が好き。
有名な「顔ジグソーパズル」のおっさん↓もおもろいけど
http://www2.big.or.jp/~adel/sobi/sobi-room3.shtml

横尾忠則的なグロ・カッコいいやつもいっぱいあるんですね。
こんなロックな浮世絵もありました。
グレイトフルデッドのアルバムジャケみたい。↓
http://jp.encarta.msn.com/media_262538442_761577854_-1_1/content.html

Posted by: id-labo at 2006年06月13日 03:27

ホンマ、グレイトフルデッドみたいやなぁ。
Tシャツになっていても、全然違和感のないわ。

他にも人の顔を描いたシリーズで、松本大洋みたいなタッチのものがあるんやけど、これも凄い。

Posted by: OKUMURA at 2006年06月14日 01:26

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