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2006年08月19日

お盆の読書

060819.jpgお盆に2冊、本を読む。1冊は伊坂幸太郎の『魔王』、もう1冊は村上隆の『芸術起業論』。
伊坂幸太郎に関しては、どこの本屋さんに行っても平積みしてあるので気にはなっていたのですが、作品を読むのは今回がはじめて。吾輩は青春チックなモノが苦手なので、タイトルで『魔王』をチョイス。で、感想はというと……つまらん!
というか、読んでいてかなりの違和感をおぼえる。とにかく、ストーリーもセリフもゴール(これも吾輩には曖昧に思えて仕方ない)に向かって一直線という感じで、‘何で急にそんなこと言い出すねん?!’‘こんなこと言われて、そのリアクションはないやろ!’の連発で、何ひとつ納得できない。途中からご都合主義な作品のパスティーシュなのかと思うほど。吾輩にとっては久々の大ハズレ。
『芸術起業論』は、村上隆の顔面アップの表紙が購買意欲を削ぎますが、中身は興味深いものでした。芸術家であっても(あるからこそ)世界的な芸術の歴史・現状を踏まえたうえで自作のコンセプトを構築し、それをきちんと人に伝え、自分をブランディングしてマネーに変えなければ意味がないと言い切る姿勢には、なるほどそうだわ!と納得しながらも、心のどこかで否定したい気持ちもあったりする。
もちろん彼の持論がすべてという訳じゃないですが、彼自身が実践して成功しているのだから、有効な方法のひとつであることは間違いありません。
話はちょっと逸れますが、F1ドライバーのシューマッハも、スポンサーのパーティーがあると誰よりも熱心にスポンサーを口説いているといいます。こんな時に「オレはレーサーなんだからスピードで勝負するぜ!」と豪語して、サッサと退散するのは大抵2〜3年で姿を消すドライバーなんだとか。
村上氏は、芸術と呼ばれるものをつくるためには才能だけでなく、覚悟とガッツが必要だと何度も繰り返します。う〜ん、この言葉は重い。覚悟の意味すら分かっていない吾輩は「モノづくリスト」としてウンコちゃんレベルということですよね。性根入れ替えて頑張ります!

posted by ichio : 00:04 | comments (4) | trackback (0) |

comments

『芸術起業論』、要するにこの表紙を受け入れられるか否かという事に全てが集約されてるような気もしました。

Posted by: ビトー at 2006年08月22日 20:20

仰る通り。
表紙(顔)がイヤなのでカバーを取ったら、
同じ写真が出てきてビックリ。

この人の顔って、いろんな意味でイヤな感じですね。

Posted by: OKUMURA at 2006年08月23日 00:43

俺、村上隆のアート作品そのものはまったく好きではないんやけど
この本の内容はかなりおもしろそう。
なんか身につまされそうですね。
メディアがこぞって彼を取り上げる理由は
芸術家として、
この割り切ったスタンスが独特だ、っていうことなんかな。

しかし、本読む前からこういうのも何やけど、
やっぱり俺、そういう姿勢で作品づくりする「芸術家」は
好きになれないかも。

Posted by: id-labo at 2006年08月23日 01:50

日本人って、芸術に対して「純粋」幻想があるから、彼のスタンス〜作品が異形に見えるんでしょうね。

だから俺もこの人の作品の良さがまったく分からん。
でも、芸術全般を知的ゲームと捉えたら、彼の作品が海外で受けるのがよく分かる。

Posted by: OKUMURA at 2006年08月23日 23:34

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