独り言

独り言が多くなっているような気がする。いや、明らかに多くなっている。しかも、公衆の面前で。
以前から意味のないタイミングで声をあげる癖はあったが、それは家や一人の時に限定されていたことで、最近の独り言とは質が違う。
例えばこの前、満員の電車の中で‘もし、宝くじで3億円が当たったら何をしようか’と思案していたら、知らない間に「3億かぁ…」と声が漏れてしまい、周りの人から気の毒そうな目で見られた。（ちなみに3億当たったら、まずスカパーに入るつもりです）
さらに自転車に乗りながら「クックドゥードゥークックドゥードゥー」と連呼していたら、前を走っていた女の人が慌てて逃げていった。
このように喉元の弁がゆるくなってしまったのは、ふたつの理由があると思う。
ひとつはiPod。移動中はiPodで音楽を聴いていることが多く、外界から離脱してしまうことが独り言を誘発しているのではあるまいか。
そしてもうひとつは、人と話す機会が少ないこと。個人で仕事をしていると、一人黙々と作業に勤しむことになり、どうしても人とのコミュニケーションが減る。これは確実にうってつけの環境である。
このままいけば、たまに出会うブツブツ呪文を唱えながらスーパーの割引品を漁るオジイになるのは間違いない。せいぜい万引きして捕まり、「しゅんません〜、家族のもんには言わんといてぇなぁ」と泣きつく人にはならないよう気をつけます。