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Oh my Buddha!It is such a wonderful site that it's unbelievable.
2019.07.12

旅先での出会い、本のカバー買い

190712去年の夏に家族で金沢を訪れた際、何気なく入った雑貨店のギャラリースペースで版画家のタダジュンさんの個展が開かれていました。作品はいろいろなところで見たことはあったのですが、作者の名前を知ったのは恥ずかしながらこの時がはじめて。
作品はどれもユーモアと毒っ気があって、すごくイカしてます。欲しい・・・・でも値段が・・・・・・・・。一人では決心がつかないので奥さんの様子をうかがったところ「いいやん」と許可をいただき、購入に向けてズズズンっ!と前進。しかし僕はCD1枚買うのに何ヶ月も思案する小心者です。OKが出たからといってすぐに何万もする大物を「これ、ください」と言えるワケがありません。想像しただけで喉がカラカラになってくる。さらに奥さんがOKを出したのは、自分も欲しいもの(それも版画と同等かそれ以上の大物!)をゲットするための策略じゃないかと、疑心暗鬼になる始末。
これはいかんということで、一度頭を冷やして冷静に判断するため、近くにある本屋さんへ。すると、その本屋さんにタダジュンさんの作品が飾られているではありませんか。お店の人に話しかけると、その方はタダジュンさんのファンで、少しずつコレクションしているのだとか。この話を聞いて、作品の魅力だけでなく、好きな作家の作品を所有して楽しむという行為にもウットリする。
これは“買い”だな。気合いを入れてギャラリーに再突入したのですが値札を前にしておじけづき、結局逃げて帰りました。

それから1年経ちますが、ちょこちょこその時のことを思い出し、「買っておいたらよかった」と思ってしまうこの頃です。
そんな後悔を少しでも晴らすため、最近タダジュンさんが装画を担当した本を集めはじめました。レコードの“ジャケ買い”ならぬ本の“カバー買い”。まだ買いだして間もないのですが、タダジュンさんは結構たくさん装画を手がけられていて、どの本もおもしろいんです。僕が読んだなかでは、ポルトガルの作家 ジョゼ・ルイス・ペイショットが書いた『ガルヴェイアスの犬』と、ドイツの作家で弁護士でもあるフェルディナント・フォン・シーラッハの『犯罪』という小説が良かった。特に『ガルヴェイアスの犬』は“へんぴな村にU.F.O.が墜落した”というキッチュな設定で、どこにでもいる人たちのしょうもない出来事を通して人生の機微を浮かび上がらせる、僕の大好物な作風。ヒトってどこまでもアホで不器用で愚かだけれど、愛おしい。そう思える作品です。
小説と音楽、フィールドは違いますがU.F.Oつながりということで、僕の頭の中では1940~50年代のロサンゼルスにあったチカーノ・コミュニティを題材にしたライ・クーダーの大傑作『チャベス・ラヴィーン』と重なっていたりします。

当たり前のことですが、こうしてカバー買いを楽しんでいても、本物の版画とブックカバーはまったくの別物で、僕の欲求が満たされることはありません。むしろ版画欲しい熱はさらに熱くなっています。
でも、今後作品を手に入れたとしても、金沢で買っていたら感じたであろうワクワク感は味わえないでしょう。やっぱり旅先での出会いは大切にしないといけませんね。

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2019.06.03

トム・ミッシュ 大阪公演

1906035月29日に行われたトム・ミッシュの大阪公演に行ってきました。
いや〜、期待通り良かった! 仕事を無理やり中断して大阪まで出た甲斐がありました。
トム・ミッシュは最近いろいろなところで紹介されたり、星野源さんが注目していたりすることもあるせいか、会場は20代らしきの若人を中心に満員。
彼のライヴは去年のサマーソニックで体験し、パフォーマンス力の高さは折り紙付きでしたが、その時よりも今回の方が骨太で、曲によってはヘビーなサウンドになっていた印象。バンドメンバーが替わっていたことも影響しているのかもしれません。特にベースのお姉さん、凄い音出してました。
ヘビーといってもデビューアルバム『ジオグラフィー』をはじめ彼のこれまでの曲の大きな魅力である清涼感はそのままで、気持ちいいグルーヴをつくりだしていました。20代半ばでソウル、ファンク、ジャズ、ヒップホップなど幅広い音楽を“丁度いい”塩梅にミックスしながら、トム・ミッシュ印の音楽に仕上げるセンスと技量に脱帽です。

ライヴ構成は中盤にスローな曲を集めるなど、全体的に程よく落ち着いた雰囲気。お酒を飲みながら観ることができればサイコーでした。
また、あまりにセンスが良すぎて、見事にコントロールされた演奏を当たり前のように聴かされると、「若いんだから、もっとはっちゃけてもいいんじゃないの?」という、いちゃもんに近い感想も湧いてきたりします。これは5Aのおいしいステーキを食べている最中に「どて焼きも食べたなってきた」とほざくような野暮なのかもしれません。
でも、『ジオグラフィー』ですでに完成されていたスタイルをこれからどう発展させていくのか早く2枚目のアルバムで確かめたいという期待感は、この日会場に足を運んだすべての人に共通する思いでしょう。

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2019.05.27

経年

190528五十代の大台が目前に迫ってきて、体のいろんなところが変化している今日この頃です。目は随分前から老眼が入り、文庫本を読むのがつらくなってきたし、スマホを見る時も「どんだけ離すねん」と笑われるほどの距離でないとピントが合いません。こうした変化を劣化と捉えると哀しくなるので、フリーザが形態を変えるように進化の過程だと捉えています。
体重増加も進化のひとつ。この数年お腹まわりがモッサリしてきたなとは思っていたものの、軽い筋トレ以外これといった対処もすることなくスルーしていました。そしてゴールデンウィークに約1年ぶりに体重計に乗ってみたら、生まれてこのかた見たことのない数値を指し示しているではありませんか! さすがにこれはいかん!ということで、筋トレ強化(といってもヌルいですが)とダイエットを決行。
いきなりハードなダイエットをしても長続きしないので、晩ごはんの白米の量を減らし、夜におかしを食べないくらいにとどめています。
お腹まわりをスッキリさせるために、体重を減らすのと同時に何か良い方法はないかと考えたところ、いいのを思いつきました。
そう、デューク更家さんです。両手を伸ばして頭の上で合わせて、シュッシュ言いながらクネクネ歩くやつです。これならいちいち「よっしゃ、筋トレするぞ!」とはりきる必要もなく、気軽にできる。というとで、家や仕事場で移動する時はシュッシュ言うてます。この前、仕事場でトイレに行く時にシュッシュ歩きをしていたら、お隣のテナントの綺麗なマダムに出くわして、かなり怪しい目で見られて気持ちよかったです。

毎日シュッシュ歩きをしているうちに、「このカッコ、どこかで見たような・・・」という、出てきそうで出てこない気色悪い感じに悩まされるように。気持ち悪いのでいっそのことシュッシュ歩きをやめてしまおうかと思いはじめた時、ローリング・ストーンズの『ヴードゥー・ラウンジ』のジャケット(右上)であることが判明。デューク更家さん、ストーンズのメンバー、どちらが影響を受けたのかはわかりませんが、ソックリです。

これがきっかけで久々にストーンズの曲を聴いていると、自分にとってのストーンズの最新作は1989年の『スティール・ホイールズ』ということに気がつきました。つまり、90年代以降のストーンズの曲はほぼ聴いたことがないということです。もちろん1994年に発表された『ヴードゥー・ラウンジ』も未聴。そこそこ慣れ親しんでいたバンドの新曲に30年近く接していないという事実に驚愕し、慌てて最近使い始めたSpotifyで『ヴードゥー・ラウンジ』を聴く。
・・・・・う〜ん、Spotify無料版の音質のせいなのか、自分の今の気分に合っていないせいなのかはわかりませんが、グッと来ない。もう少しねかせておく必要があるようです。
ということで、しばらくはデューク更家さんの方にお世話になります。
ダイエットは目標3.5キロ減で、現在2キロ減です。

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2018.08.29

サマソニ〜ベックのパフォーマンスに脱帽

18082950近いオッサンがキャッキャッとはしゃぐ姿というのは、若人たちにはどう映るのでしょうか? 興奮が醒めていくに従い、「キモい、このオッサン」と思われていたのではと、ワキ汗が滲む今日この頃です。
サマーソニック大阪でベックを観て、年甲斐もなく盛り上がってしまった話をしております。
実はベックのライヴを生で観るのは今回がはじめて。これまで映像で観る限りでは、あくまでメインの活動はレコーディングであり、ライヴはグッとこないタイプのミュージシャンだと勝手に決めつけておりました。が、まったくそんなことはありませんでした。というか、もうサイコーで、圧倒されました!

当日はお昼過ぎに会場に到着。熱中症対策として屋内会場でソルティライチを飲みながらスタンバイ。しばらくすると注目していた新鋭、トム・ミッシュのライヴがはじまる。ソウル、ブルース、ジャズ、そしてヒップホップのエッセンスを絶妙の加減でミックスし、極上のポップソングに仕上げている。自ら演奏するギターは透明感あふれるジョン・メイヤー直系。聴いていて気持ちいい。20代前半にして、このセンスとソングライティング能力。間違いなく近い将来メインストリームに駆け上がるでしょう。ちなみに僕が彼と同じ年齢の頃は、毎日「彼女ほしい〜」と悶絶していました。

お目当てのミュージシャンが特にいない時間帯になったので、「せっかくなので」ということで、ONE OK ROCKを観賞。普通にカッコいい。森進一さんのご子息、こんな感じになっておられたのですね。
この頃になると、クーラーボックスに飲み物を詰め込んでやって来た友だちが、となりでせっせとつくってくれるチューハイでホロ酔い気分に。「アテがほしい」ということで屋台ゾーンに行って飲み食いしている間に、楽しみにしていたチャンス・ザ・ラッパーを見逃してしまいました。

そしていよいよ、ベックの登場。がんばって前へ移動すると、御用達のサンローランを身にまとい、ギターを持ったベックが目の前にいる。と、いきなり「デビルズ・ヘアカット」がはじまり、「ルーザー」へとなだれ込む必殺の展開。ジェイソン・フォークナーやロジャー・マニングjrらをはじめとするバックバンドが繰り出すサウンドは、ひたすらラウドで面食らう。そんなオッサンの驚きなどおかまいなしに、この後も目下最新作の傑作『カラーズ』を中心にキラーチューンのオンパレード。完全にパーティーモードというか、花火大会モード。前で踊りまくる外国人に感化され、こちらも大はしゃぎ。“ひとつになる”って、こういう感じだったんスね! 一体感を体感していると、外国人は彼女さんをハグしたりチューしたりとヒートアップ。やっぱり“こっち”と“そっち”には高い壁がありました……。
ライヴはあっという間に後半。メンバー紹介に合わせて、シック、ストーンズ、ニュー・オーダー、トーキング・ヘッズの曲をちょこっと演奏するのですが、これがイカす! 「ブルー・マンデー」なんか確実に本家よりカッコいい。(ニュー・オーダーは、ド級のヘタさが魅力なんですけどね)
やってもやっても尽きないキラーチューンと完成度の高いパフォーマンスに、20年以上に渡りミュージックシーンの最前線を走りつづけている男の凄みを感じました。
今年のサマソニ大阪はかなりショボいラインナップで、実際にお客さんの入りも残念だったようですが、ベックの最新型ライヴを観ることができただけで大満足です!

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2017.08.28

ランニングをはじめた理由

170825つれ合いが健康およびアンチエイジングのためにゴールドジムへ行きたいと言いだしました。しかし、ジムに通うためにはお金が要ります。しかもゴールドジムといえば、まぁまぁなお値段。そこで「ひとまず近所でウォーキングかランニングからはじめてみれば」と提案したところ、お金を払って“やらなければならない環境”をつくらないと行動に移せないとのこと。気持ち的には分からないでもないのですが、家庭の財務を司る立場としては簡単には承服できないご意見。
そこで僕は毎日している軽い筋トレをこれ見よがしにつれ合いの前で行い、自主(無料)トレーニングを促す作戦にでたものの、まったく効果なし。というか、「ちょっとテレビ見えへん」と怒られる始末。仕方なくゴールドジムよりリーズナブルで、若干おばちゃん率高めの某ジムをおすすめしたのですが、これも気分が上がらないと却下。敵もなかなかしぶとい。
こうなればリーサルウエポン。僕がランニングをはじめ、それにつれ合いを誘う作戦を決行! 果たして、ここまでやることなのかとは思うのですが、僕自身、腰まわりの“ヌタ〜ッと感”を取りたいと思っていたので一念発起して走ることにしました。ただ僕もバカじゃないので、戦略があります。僕だけ走ると言っても「どうぞ、がんばって」で終わってしまうため、子どもと一緒に走ることにしたのです。子どもは日頃から運動をしているので、僕とのランニングにノリノリ。こうなればゴールドジム志願者たるもの、やらないワケにはいかない。

ということで、家族で二条城でのランニング(ニジョラン)を開始。僕は中学時代、陸上部で中距離をしていて二条城を毎日走っていたのですが、30年間ほぼNO運動状態。ヘロヘロになると思いきや、意外にスムーズに走ることができ、気持ちいい。つれ合いも走ってみると気持ち良かったようで、習慣化しそうな気配。
こうなってくると、イカすランニングシューズとウェアが欲しくなってくる。わざとらしくつれ合いにアピールしたところ、「しばらくはこれで」と、某ファストファッションブランドのスポーツウェアを支給される。これがくそダサくて、しかも着心地も悪く、気分が上がるどころか逆にやる気を削いでいます。なんか、つれ合いにリベンジされている気がします……。

今読んでいる、村上春樹さんの『職業としての小説家』というエッセイにランニングの話が出てきて、有酸素運動をすると脳内にニューロンが生まれ、それに知的刺激を与えると脳のはたらきが活性化すると書かれていました。このところ自分自身にがっかりするような物忘れや勘違い、奇行をしてしまうことがあるので、そういう意味でもランニングはつづけたいと思います。
『職業としての小説家』は、村上春樹さん自身の経験に基づいて、“作家として書くというのはどういうことか”が、じっくりと、そしてストレートに書かれています。語られる言葉はすごくシンプルで淡々としているのですが、シンプルで淡々としているからこそガツンときます。近頃よく見かける、さも良さげでポジティブ風な自己啓発書などとは大違い。書くことを生業としている者の端くれとして、すごく勉強になりました。カラダだけでなく、アタマのランニングも欠かせません。

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2017.07.20

K-POPアイドルによるルドヴィコ療法

170720近頃、『時計じかけのオレンジ』に出てくる「ルドヴィコ療法」の効果を、身をもって実感しています。ルドヴィコ療法とは、犯罪者の再犯を防ぐために対象者を椅子に縛りつけ、クリップで目を開けたままの状態にして無理矢理バイオレンスな映像を見せ、身体と脳に暴力に対する嫌悪感・拒否反応を刷り込むという架空の治療法。僕はこの1年半ほど、このルドヴィコ療法を受けている状態です。

実は奥さんと子どもがK-POPの某アイドルグループにハマっおりまして、強制的に彼らの曲を聴かされているのです。それらの曲はどれも歌とラップが組み合わされている今どきなスタイルなんですが、独特のクセがあり、 “気持ち悪い”と“病みつき”のギリギリの線を攻めていて、こちらの意思に関わらず脳内の深部に入り込んでくるんです。旅行の時など、クルマという逃げ場のない閉鎖空間で何時間も聴かされるのですから、たまったもんじゃありません。真剣に発狂しそうになりました。
薄れゆく意識の中で僕は、ブルース・リーの「水になれ」という言葉を思い出しました。自分と相反するものに遭遇した時、ガチコンでぶつかったらバラバラに砕けてしまうけれど、水のように受け流せばスルリとかわせるという教えです。抵抗するのではなく、流れに身を任せる。ということで、僕も一緒に歌うことにしました。
独特のクセがある彼らの曲は、1、2回聴いただけでも信号待ちをしている時に口ずさんでしまう威力をもっているのですが、僕なんかシャワーのように浴び続けたせいで、今ではカッコ良く思えてくるほどにステップアップしました。この前、奥さんと子どもに連れられ、大阪の鶴橋でK-POPショップ巡りをした時なんかウキウキし、せっかくなのでグッズも買っとこうかなと思ったくらいです。おそらく日本のオッサンの中では、K-POPに詳しい方に分類されると思います。
まだまだファンと名乗るのはおこがましい身分ですが、そんな僕がみてもK-POPのクオリティは唸らせるものがありますし、単純にカッコいいという感情が湧いてくる。バラエティ番組で軽妙なフリートークをかまし、情報番組のMCやコメンテーターをしている日本のアイドルをみると、「アイドル」ってどういう人のことをいうんだったっけ?という疑問がわいてきます。一度原点を見直してもよい時期なのかもしれません。

この春、子どもがライヴデビユーを果たしました。もちろん、ファンのK-POPアイドルのライヴです。秋にも奥さんと一緒に行くそうです。羨ましい……。さすがに「お父さんとエイフェックス・ツインのライヴに行こう」とは言えないので、僕もK-POPアイドルのライヴに行こうかな。

posted by ichio
2016.05.23

2016年問題

160523「2016年問題」にご注意ください!
これまで世界は1999年の「ノストラダムスの大予言」や「2000年問題」などで大騒ぎしてきましたが、結局大したことは起こりませんでした。むしろ、これらをネタにして儲けた人が少なからずいた、ラッキーイベントだったといえるでしょう。しかし我が家を襲った「2016年問題」は、実害のある恐ろしい現象です。

どんな惨事が発生したのかと申しますと、アナログレコードのジャケットを保護するビニール袋が一斉に破けだしたのです。
ラックからレコードを取り出す方法は人によって千差万別。僕は、パカパカとレコードを横に倒してお目当てのアルバムを探し出し、背の部分のビニールをつまんで引っ張り出す「プルアウト・スタイル」を採用しています。(僕が適当にいってるだけなので、ネットで「レコード プルアウト・スタイル」と検索しても出てきませんよ)
とまぁ、こんな感じに背の部分のビニールをつまむと、その部分だけが破けてしまうのです。ビニールの状態をみると、干からびたみたいにパリパリになっている。調べると、塩化ビニールには可塑剤という薬品が入っていて、時間の経過とともにそれが抜けていき品質劣化するとのこと。
僕はビニールの品質チェックをするため、ビニールに入っているレコードの背の部分を、かたっぱしに引っ張ることにしました。すると、破れる破れる、どんどん破れる。途中から包装用のプチプチをやっている気分になってきて、破れないとハズレ的な感じに。ちなみ、午前2時のことです。
そうやってゲームを進めていくうちに、破れるビニールのほとんどが90年代に買ったものだということに気づきました。それは、偶然とは思えない確率。不思議と、それよりも前の80年代に買ったものは、まだビニールに粘り気があって破れない。つまり、経年劣化だけが原因とはいえないということです。これは推測ですが、空前のレコードブームが巻き起こっていた90年代当時、質の良くないビニールが出回っていたのではないかとにらんでいます。

我が家の2016年問題は、実はもうひとつあるのです。それは、家電がつづけざまに調子が悪くなるという怪現象。ブルーレイ・レコーダー、洗濯機、トースター、パソコン、時計など、ジャンル・購入時期を問わず不具合が発生。まるで惑星直列のようです。そういえば惑星直列の時も、引力が影響し合って地球がどうにかなるんじゃないかという話がありましたが、幸い何もありませんでした。それに比べて、こっちの問題はもっと現実的で、シリアス。家電を買いかえる金額を考えたるだけでも悪寒が走ります。
どのご家庭でも1回はいろんなことがあると思いますので、お互いがんばってクリアしましょう。

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2016.05.11

なぜ、枯れるのか

160511近ごろ、妬み・嫉みという負の感情が止まりません。
ことのはじまりは、育てていたエバーフレッシュが枯れてしまったこと。エバーフレッシュは中南米や東南アジアに育つ、マメ科〜ピトヘケロビウム属の植物で、夜になったり水をかけたりすると葉っぱを閉じ、風に葉が揺れる姿も涼しげな、かわいいヤツです。
そんなエバーフレッシュの苗を去年の春に買い、かわいがっていたら、涼しくなる頃には枝も増え、結構な大きさになっていました。

ここで少し補足説明をば。僕は乾いた心を少しでも潤そうと、ちょこちょこ植物を買っては育てているのですが、どうしたことか想いに反して、かなりの頻度で枯らしてしまうのです。たとえ枯れなくても、買った時とはまったく違うブサイクな風貌に変わってしまう。グリーンジョップはもちろんのこと、他のお店や家でも、うちのような感じのものに出会ったことはありません。オリーブやホームセンターで売っている定番の多肉植物も、ブルータスの「珍奇植物」特集で紹介されそうな形になってしまうのです。
確かにうちは北向きで、建物も日当りが良くないつくりになっているため、枯れる要素はあるものの、何かそれだけではない僕の生まれ持った“センスのなさ”が原因である気がずっとしていました。

そんな僕でも育てやすい、難易度低めの植物であることもエバーフレッシュの魅力のひとつでありました。とはいっても南国産であるため、8度以下になると枯れてしまうということで、冬場は室内に入れ、やわらかい日が当たる窓際に置くことに。そして土や葉の状態を見ながら水をあげたり、霧吹きで葉を湿らせてあげたりする。エバちゃんもそれに応えるように青々とした葉を茂らせてくれる、まさに相思相愛の関係でした。
しかし、恋の終わりはいつも突然に訪れるもの。エバちゃんも然り。何か葉っぱにハリがないなと思っていたら、みるみるうちに色が変わり、カスカスになってしまったのです。インターネットで育て方を見ながら回復に努めたのですが、一枚また一枚と葉が落ち、ひどい時には枝ごとボロッと落ちることも。そんなエバちゃんの姿を見る度に、僕の心は細い針でチクチク刺されたように痛むのでした。そして、気分もどんどんブルーに……(これ冗談でも大げさでもなく、マジです)。ついに葉っぱが一枚残らず落ちた時には、僕の少年のような笑顔は完全に失われていました。
さらに悲劇は続きます。青葉がのびる春、これまで元気に育っていたユーカリなどの植物も急に色が悪くなり、葉が落ちだしたのです。こうなると、「どうして俺のところだけ枯れるのか」「近所のおばちゃんの植木は花を咲かせているのに……恨めしい……」と、心の奥にドス黒い感情がとぐろを巻きはじめました。ジェダイからシスへと堕ちたアナキンを想像していただくと、この感じをご理解いただけると思います。

このままでは精神衛生上良くないということで、心機一転、ニューフェイスを招くことに。期待の新人は、そんじょそこらの悪条件では枯れないタフボーイ、ソテツくん。よく、おばちゃんがぬか漬け用のプラスチックのバケツに植えて、ろくに世話してないのにデカくなってますよね。もし、これを枯らしたら、植物好きから足を洗います。

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2016.03.20

娘とふたりで『オデッセイ』

160320少し前、10歳の娘が映画『オデッセイ』を観たいと言ってきました。これまで娘が映画館に観に行ったのはディズニー映画やドラえもんなど、いわゆる子ども向けの作品のみ。家ではジブリ作品などもちょこちょこ観ているのですが、熱心なファンというほどでもないので、いきなりの『オデッセイ』にびっくりしました。クラスで話題になっているのかと訊くと、そういうことはなく、テレビの予告を見て興味をもったとのこと。
この半年、僕は仕事で、娘は習い事でろくに休みがなかったので、これは良い機会だと、ふたりで観に行くことに。
そこで問題になるのが、どの仕様で観るかということ。IMAXは高くて腰が引けるし、3Dはメガネ・オン・メガネになるので気がすすまない。ということで2Dに絞られるのですが、吹き替えか字幕かという問題が残っています。子どもが内容を理解するうえでは吹き替えの方が良いのかもしれませんが、心の師であるブルース・リーの「Don’t Think, Fee〜〜l!!」という言葉を思い出し、オヤジの権限を発令して字幕に決定。分からないところは前後の文脈で読み取るようにと、カッコ良さげなセリフを吐いてみました。

そして、当日。僕は夕方まで仕事をして、近所のシネコンで待ち合わせ。早速劇場へ入ろうとすると、娘が「その前に打ち合わせがあるから、ちょっと待ってほしい」とのこと。そして、おもむろにカバンから『ちゃお』の付録の長財布を取り出しました。話をおうかがいすると、長財布からお金を出してポップコーンを買いたいというのです。どうも、長財布というのがステータスらしい。さらに、自分一人で観に来ている感じにしたいので、注文している時は近寄ってくれるなと。吹き出しそうになるのをこらえ、事前にドリンクやポップコーンの味を何にするかなど注文内容を決め、お金とチケットを託しました。
そして、いざ買い物本番。離れたところから見る限り、緊張でぎこちないところはあるものの、何とか無事にゲットすることに成功。娘のあまりのドヤ顔に辛抱たまらず笑ってしまいました。

映画がはじまると娘のテンションは頂点に達し、身を乗り出してスクリーンを凝視。そして凝視したままポップコーンのカップに手を伸ばし、頬張るという、アメリカンな楽しみよう。その熱中具合に、こっちも新鮮な気分で映画を観ることができました。
帰ってから感想を聞くと、「『ルパン三世 カリオストロの城』と『塔の上のラプンツェル』を除いて、人生でいちばんおもしろかった」ということでした。

これで映画に興味をもった娘はどういう経緯かは謎ですが、つれ合いの勧めで家にある『ラスト・エンペラー』を観賞(何でいきなりベルトルッチやねん!)。さすがにストーリーは分からなかったものの、映画に出てくる宦官にインパクトを受けたらしく、以来よくそのモノマネをしています。まさに、「Don’t Think, Fee〜〜l」です。

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2015.07.24

ムダが大切

150724「ゼロベースで計画を見直す」
“ゼロベース”という言葉のせいで何となくカッコ良く聞こえますが、要は関西のおばちゃんが言うところの“パーになった”ってことですよね、新国立競技場。
さらにオリンピック・バラリンピック組織委員会会長を務める元総理大臣が「生ガキがドロっとした〜」と言いだしたのを皮切りに、場外乱闘になだれ込んだ模様。
見積もり額をはるかにこえる建設費、赤字を生みつづけるランニング試算など、大きな問題があるのは分かります。ザハさんのデザインがベストかどうかは別にして、黒字か赤字かという数字だけでプランの善し悪しを決めるのはちょっと違う気がします。新国立競技場は国のシンボルのひとつとなるもの。そんなものを損得だけで決めてどうするの。それなら人類の遺産になっている多く建物はムダでけしからんものになってしまう。人を惹きつける根源は計算し尽くされた合理性ではなく、度が過ぎたムダにあると思うので、どんなデザインに変更されるにしろ、何の過剰もない無味無臭なものだけはやめていただきたいものです。

ということで、ムダなことに多くの時間を割いている僕の暮らしに、またひとつ大きなムダが加わりました。
トレイルです。トレイルをはじめました。最近は野山を走るトレイルランが流行っていますが、僕は歩く方。
関連の本を読むと、歩くことで感覚や思考が研ぎすまされたり、ストイックな気持ちになったりすると書かれているんですが、今のところその兆候はゼロ。むしろ、帰ったらビール飲みたい、焼肉食べたい、クーラーの利いた部屋でギンギンのロケンローを聴きたい、痴女に誘惑されたい、それはどう考えても実現不可能なのでそれ関連のAVを見たいと、次から次へと煩悩が湧き出てくる始末です。
無茶苦茶に疲れ、シューズやリュックなどのアイテム(近ごろはギアっていうんですね)を買うコストがかかり、誰に頼まれるでもなく、誰の役にも立たないこと。そして、つれ合いに「トレイルっていいたいだけやん」と半笑いされること。これをムダといわずに何といいましょう。
しかしこれがやたらと楽しいんです。歩くこと自体だけでなく、トレイルをすることでご飯がおいしくなったり、夕方のうたた寝や、お風呂、音楽を聴くこと、しょうもないテレビ番組や痴女のAVを見ることなどが楽しくなるから不思議です。
現在、京都盆地をグルッとまわる京都一周トレイルコースに挑戦中。月曜日に足を引きずっている場合は、「どうしたん?」と尋ねてください。思いっきりムダなトレイル話をして差し上げます。

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