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2023.01.12

追悼 ジェフ・ベック

230112 毎年のことですが、秋から年の瀬にかけて仕事に追われ、すっかり更新せず放置状態になっておりました。ちょっとサボると、すぐにそれが当たり前の状態になる。習慣というのは怖いものです。今年はもう少しがんばって更新したいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 さて、ジェフ・ベックが亡くなったという大変残念な知らせがありました。
 僕は今も新譜を追いかけている熱心なファンというわけではありませんが、10代の頃にはじめて彼のギタープレーに出会って衝撃を受けて以来、定期的にラックからレコードを引っ張り出して聴いています。何やいうてもフェイバリットギタリストの一人です。

 日本ではヤードバーズに在籍していたエリック・クラプトン、ジミー・ペイジと並んで3大ギタリストとして崇められてきたのはご存知の通り。この3人を往年のプロレスラーに例えると(例える必要はまったくないのですが)、僕の中ではクラプトン=馬場、ベック=猪木、ペイジ=鶴田。
 ベックと猪木に共通するのは、革新者であり、探求者であること。常識や既成概念にとらわれることなくチャレンジしつづけ、新たな可能性を広げる。プレー自体はもちろんのこと、そういう姿勢がカッコ良かった。
 新日プロレスのテレビ放送で彼の曲が使われていたことにも、偶然といえないつながりを感じます。

 そして、亡くなるまでバリバリの現役だったこともジェフ・ベックらしい。
 ある程度キャリアを積むと自分のプレースタイルを守りつづけるような老舗化するギタリストが多い中、彼はずっと新しいプレースタイルやサウンドを探求していました。きっと「誰も聴いたことのないプレーをおみまいしてやるぜ!」と思っていたのでしょう。ある意味、生涯ギター少年を貫いたといえます。

 初期のプレーもブッ飛んだ超人レベルですが、ピックをやめて指弾きに変えてからはまさに“超”超人の域に。どんなふうにしたらこんなフレーズや音を弾けるのか、想像できない。というか、ライヴの映像を観てもよくわかりません。わかるのは、本人が楽しそうに弾いていることだけ。
 彼が凄いのは、テクニックだけでなく、表現力が半端でなかったこと。彼のプレーや作品はこれからも色褪せることはないでしょう。

 個人的には、『ワイヤード』、『ゼア・アンド・バック』、『ギターショップ』がお気に入り。世紀が変わってから出た『ユー・ハッド・イット・カミング』も、ベック流デジロックといった感じのヘビーな音に驚いたものです。発売当時55歳オーバーだったことにもビックリ。彼こそギターヒーローという言葉がいちばん似合うギタリストだったんじゃなんいでしょうか。
 ご冥福をお祈りいたします。

posted by ichio