KITSCH PAPER

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Oh my Buddha!It is such a wonderful site that it's unbelievable.
2008年04月25日

妖気に魅せられて

「アイ・ワズ・ゲイ」と告白したのは、「自分を褒めてあげたい」という名言を残した元マラソン選手のダンナさん。彼がデビッド・ボウイのバイセクシャル宣言に感化されたされたのかどうか、また奥方である元マラソン選手が誰からも求められていないのに公の場でカミングアウトするバカ正直な人を伴侶として選んだことに「自分を褒めてあげたい」と言ったかどうかは定かではありません。
しかしボウイの妖しい表情を拝むと、吾輩も思わず「アイ・ウィル・ビ・ゲイ」と言ってしまいそうになります。
時代と共に自身の姿も変化させてきたボウイの長いキャリアの中で、吾輩がいちばん好きなのは『ロウ』や『ヒーローズ』といった傑作を立て続けにつくっていたこの映像の時代。
どこを見ているのか分からない虚ろな眼差し、爬虫類を連想させるエロチックな口もと、クールでいてエモーショナルな声、すべてが人間ばなれしています。
この映像のようにただ突っ立って歌っているだけで、これほどの存在感を発散する人って、キワ者・クセ者ばかりが集まるロック・シーンでもそうそういないでしょう。
有名な話ですが、この時期のボウイは重度のドラッグ中毒だったようで、もしかしたらあっちの世界におられたのかもしれません。
この後彼はドラッグ中毒から抜け出し、きれいな女性と結婚なんかしたりして、今ではすっかり妖気が消えて陽気なオジサンになっています。
そんな現在のボウイももしかしたら七変化のひとつで、70過ぎたあたりでまたアブない人になるなんてこともあるかもしれません。

posted by ichio : 17:40 | | trackback (0) |
2008年04月22日

中2病のすすめ

0804224.jpgいよいよ引っ越しが近づき、荷造りも本格化。
いろいろなアイテムをダンボール箱に詰めていくワケですが、いちばん厄介なのが本。とにかく重い。
引っ越し屋さんから渡されたガイドブックに「あなたが持てない物はスタッフも持てません」と、こっちの人間性に訴えるいやらしいコピーが書いてあるため、小サイズの箱でも7割程度しか入れられず、箱の量がドンドン増える現象が起こっています。さらに心やさしい吾輩はいちいち‘これくらいだったらスタッフさんの腰に負担をかけないかなぁ’‘いや、吾輩とちがって屈強な肉体をお持ちだろうから、もうちょっと詰めさせてもらおうか…’とバレないようにコソッと入れたりみたり、日々ガラスの神経をすり減らせています。

さて、荷造りをスムーズに進めるコツは容赦なく要るものと要らないものを判別することですが、実際はなかなか簡単にいきません。
本を手に取るたびに‘こんなの買ってたなぁ’‘アレッ、これ どんなストーリーやったっけ?’と、ペラペラめくってしまう始末。そんな中で気づいたのが、学生の頃に買った本は小難しいものや尖ったものが多いこと。トマス・ピンチョンやドナルド・バーセルミなどのポストモダンな小説やビートニク関連の本など、今ではチンプンカンプンどころか読む気さえ起こらないものばかり。ブルース・リーは「考えるな、感じろ」と仰いましたが、感じるとっかかりすらつかめましぇん!
まぁ学生の頃もチンプンカンプンだったんでしょうけど、「ちがいの分かる男になりたい」という思春期特有の熱があったように思います。
一部のネットではこういう症状を「中2病」というそうですが、吾輩の場合は少し遅れて高校生〜大学生の頃にかかってました。ちなみに中学の頃は、意味もなくイキリたがるサングラス病にかかってました。(修学旅行の写真を見ると、真っ暗な中で行われているキャンプファイヤーで黒々としたサングラスをかけている吾輩の勇姿が写っています)
そんな中2病の頃に比べると少しは自分なりのスタンスで本を選べるようになったように思いますが、もう1回くらいこういう病にかかってみたい気もします。

posted by ichio : 01:29 | | trackback (0) |
2008年04月15日

増殖

080415.jpg「ためる人」と「ためない人」、人は大きくこのふたつのタイプに分けることができます。
お金をためる人・ためない人、ストレスをためる人・ためない人、仕事をためる人・ためない人、物をためる人・ためない人、チ◎カスをためる人・ためない人…世の中にはいろいろな「ためる人」と「ためない人」がいます。
吾輩はお金・ストレス・仕事は「ためない人」ですが、物に関しては確実に「ためる人」です。(チ◎カスに関してはためていないつもりです)
本・CD・DVDは棚からあふれて置き場所に困っている状態で、押入を開けると小学生の頃から録りためた映画のビデオテープが数百本、さらに20年前から録りつづけているF1のビデオテープが詰まっています。新居に引っ越したら少しは置き場所に余裕ができるでしょうが、それもそう遠くない将来に満タンになることは間違いありません。
今後何らかの理由で吾輩の精神が壊れたら、確実にゴミ屋敷の主になるでしょう。
どうして物をためるようになったのか。それは中学生の時、それまで大切にしていたFLゲームやブルース・リー関連のグッズを持っていることが急に恥ずかしくなって捨ててしまい、後でとんでもなく後悔することになったから。
じゃあ、そんなにため込んでメリットがあるのかというと、大してありません。せいぜい棚を物色している時に偶然なつかしいブツと目が合って、‘久しぶりにどう?’と話しかけられて読んでみた(または聴いてみたor観てみた)ところ、‘何やこんなにおもろかったんや’と ささやかな再発見をするくらい。ほとんどの場合は、‘こんなもん買ってたんやぁ’と赤面することなります。
さて、物を集めることに年季が入ってくると、今度はそれらをデータ化したくなってきます。吾輩も例に漏れず自分が観賞したアルバムや映画をノートに書き込んでいます(エクセルなどでデータをデジタル化しないところが吾輩のこだわり)。タイトルやアーティスト名、点数だけを書いただけなんですが、人に見られるのはとんでもなく恥ずかしくて、つれ合いにも見られたくない禁断の書になっています。
どんどんたまる戦利品というか、人生の足跡。これらのブツが腐葉土のように吾輩の栄養になっていればラッキーです。

posted by ichio : 00:50 | | trackback (0) |
2008年04月10日

『ノー・カントリー』

080409.jpg久々に会心の出来だったんじゃないでしょうか、コーエン兄弟の『ノー・カントリー』。
『ビッグ・リボウスキ』以降テンションが徐々に下がり、近頃は劇場まで足を運ばなくなっていたのですが、今回はハビエル・バルデムの顔に惹かれて観に行ったら傑作といってもいいほどの出来映えでした。
もうとにかくハビエル・バルデム扮する殺し屋シガーがイカす! 最近登場したサイコキャラでは『デフプルーフ IN グラインドハウス』のスタント・マイクがピカイチだと思っていましたが、シガーの前ではかすんでしまいます。表情ひとつ変えずにバタバタ殺す姿は異様そのもの。(一度だけ意外なところで感情を表に出しますが)しかもランボーを凌ぐセルフ手術もやっちゃいます。
彼が何の論理に従って行動しているのかがまったく分からない。ある意味レクター博士より謎につつまれた存在です。
今作はコーエン兄弟初となる小説の映画化なんですが、彼らの作品に共通する「ボタンの掛け違い」と「サイクル」というテーマはしっかり描かれていました。ベトナム帰りの冴えない男ルウェリンが事件現場に戻るところは「ボタンの掛け違い」のお約束だし、「サイクル」もトミー・リー・ジョーンズ演じる保安官の最後のセリフで見事完成。
あと乾いたユーモアも健在で、ところどころに意味の分からないやりとりが挟み込まれ、‘今のは何だったの?’とキョトンとさせてくれます。
サスペンスの結末だって、腰がくだけるほどのあっけなさ。今まであれだけ丁寧に描いていたのにそれはないんじゃないの?!というくらい。これは明らかに意識的に描いたもので、‘人生ってそんなものさ’というコーエン兄弟の人生観が見えてきます。

この映画を観ると、間違いなく落ちいてるお金を着服するのが怖くなってしまいます。…もちろん吾輩は1円拾っても交番に届ける正直者です。

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2008年04月07日

人生最大のお買い物

080406.jpg家を買いました。理由は今住んでいるマンションが手狭になったから。
今の住まいは襖を取っ払って1DKの間取りにしているため、夜仕事から帰るとプリティーな娘の眠りを邪魔しないよう灯りはつけられないわ、テレビのボリュームは極限まで絞り込まないといけないわ、夫婦の会話はヒソヒソ声で話さないといけないわ、まるで借金取りに追われているような環境になっています。
これでは良くないと家を探しはじめたのが約1年半前。最初は中古マンションを見てまわったのですが、予算を抑えすぎたためか‘オレッてこんなもん?!’とヘコむ物件ばかり連れて行かれ、著しいモチベーション低下のため一時活動停止。
今度はちょっと静かな場所(といえばカッコいいですが要は街はずれ)にある一戸建てを探しはじめ、いいなと思う家があったので試しにローンの審査をしたら、ほとんどの銀行で門前払い。いやはや、バックボーンのない人間には厳しいもんです。いろんな資料を揃えた末ようやくパスしたのですが、もろもろの事情でやめることに。
その後もいくつか候補は現れたものの、どれも満足できる条件ではなかったのでスルー。そんなこんなでだんだんフラストレーションが募ってきた去年の暮れ、折り込みチラシに載っていた物件にピン!と来てスグに内覧。中に入った瞬間、‘ここに住むかも’という予感がする。で、あれよあれよと話は進み、今度はローンの審査もスムーズにパスして契約に至りました。決まる時ってこんなもんです。
契約当日、カバンの中に頭金を入れて自転車で街を駆け抜けるスリルはなかなかのものでした。‘まさか誰も吾輩が大金を持っているとは思うまい’とニヤけていると、大国町辺りにいそうな怪しいオッサンと目があってビビッたり…。
まぁ、そんなワケでぼちぼち引っ越しの用意しているワケですが、困ったことに何やかんやでお金がかかります。特に家具の買い換えがむずかしい。せっかくだからこの際、北欧家具などこだわりのアイテムにしたいという希望はあるのですが お値段バリ高。仕方なくお値段抑えめ(といっても結構しますが)のインテリアショップを見るとやっぱり見劣りしてしまう。一品だけなら思い切って高い方を購入!となるんですが、いくつも買うとなると妥協が必要になってきます。
また、吾輩とつれ合いの好みがちがっていたりするとこれまた調整が必要。まぁ、ああでもない、こうでもないと悩むのが買い物、住まいづくりの醍醐味だと思ってがんばりたいと思います。

先日京都にある北欧家具のユーズドショップでデンマーク産のダイニングテーブルをゲット。(こう書くとすごいアイテムに思えるなぁ)なかなかのナイスアイテムで気に入ってます。あと、テレビもほとんどクラッシュ状態だったので、京都タワーのてっぺんからダイブする思いで37インチ液晶、フルハイビジョン&倍速仕様を買っちゃいました。あとついでに携帯電話もインフォバーに機種変。もうほとんどやけくそです。

posted by ichio : 23:53 | | trackback (0) |