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2016.06.09

ナンバーワン宣言

0160610 「人は世界一のゴミ収集人になれる。世界一のモデルにだってなれる。たとえ何をやろうと、それが世界一なら何も問題はない」
 これは、先日天に召されたモハメド・アリの言葉です。鬱屈した毎日を送る僕でも勇気が湧いてくる、大変ありがたい言葉です。自分にもナンバーワンだと誇れるものはないかと考えたところ・・・・、ありました!

 それは、仕事場のあるテナントビルで、僕がいちばんウンコをしていることです。10年ほど前から毎朝バナナヨーグルトを食べだし、ビックリするくらいウンコが出るんです。それは、食べた量より多いんじゃないかというくらい。仕事に行く前にしっかりひり出しても、必ずといっていいほど仕事場でも出る。たまに、たくあん丸々一本クラスの大物が二本出ることもあります。
 ビルの男子トイレは事務所のすぐ前にあるので、誰かがトイレに行くと音で分かるのですが、その頻度から察するに、僕を上回る人がいるとは考えられません。女子に関しては未確認ですが、不戦勝扱いで問題ないでしょう。「この調子で、世界一のウンコ量を目指そう!」とは思いませんが、ビル内ナンバーワンでも結構うれしい。人って意識する・しないに関わらず、ナンバーワン願望をもってるんですね。

 このようなナンバーワン願望をはっきり表明しているのが、リチャード・アシュクロフト。言わずと知れた元ヴァーヴのフロントマンであり、当代きってのソングライターでありボーカリスト、そして男前です。彼は、先月6年ぶりに発表したアルバム『ジーズ・ピープル』のタイトル曲の中で、「I’m feeling like I’m born again, number one again」と歌っています。
長い沈黙を破ったこのアルバムは、そう思うだけのクオリティを誇っています。
 ヴァーヴ時代にナンバーワンを獲った「ビター・スウィート・シンフォニー」を彷彿とさせる王道路線に加え、エレクトロニックを取り入れた新機軸があるのが今作の特長。さらに、前作『ジ・ユナイテッド・ネイションズ・オブ・サウンド』で試みたヒップホップ的なリズムを血肉化し、サビのメロディにソウルテイストを忍ばせるなど、これまでの活動の足跡が刻み込まれているところも素晴しい。ソロ関連でいえば、『ヒューマン・コンディションズ』以来の傑作でしょう。ヒットチャートでナンバーワンはむずかしいかもしれませんが、内容的には十分いけます。
 ただひとつ文句をつけるとすれば、彼の楽曲のトレードマークである、ウィル・マローンによるストリングスアレンジがやり過ぎ。これまでは過剰の一歩手前のギリギリのところで曲を盛り上げる機能を果たしていましたが、今回は悪い意味でノイズになっているところや、「ちょっとダサいかも」と感じるところがありました。次は思い切って、ストリングスなしにしてもいいかも。

 メディアはリチャード・アシュクロフトを取り上げる時、必ず“孤高のカリスマ”というフレーズをつけて解説をしていますが、ほとんど意味が分かりません。単純に、良いソングライター、ボーカリストとして捉えた方が、彼の魅力が伝わると思います。
 あと、某音楽ライターが「ディス・イズ・ハウ・イット・フィールズ」の解説で、「短いスレーズをループさせたつくり」と書いていましたが、ホンマですか? ポップミュージックって、ほぼ同じ構造になっていると思うのですが。PVの内容と、曲中のコーラスに引っ張られて書いているとしか思えません。あのPVは、こうしたポップミュージックの構造を浮き彫りにして、「こんな単純なつくりでも、ひと味もふた味も違う曲がつくれるんだぜ」という、リチャード・アシュクロフトの挑発だと、僕は受け止めています。

 ということで今秋、この新作を引っ下げての来日公演が決定! もちろん即効にチケットとりました!

posted by ichio