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2018.07.27

カマシ、脂がのってます

180726 すっかり“時の人”になった感のあるカマシ・ワシントン(どうでもいいですけど、“カマシ”という響き、独特のクセがあります)。ジャズをはじめさまざまな音楽雑誌で大きくフィーチャーされるだけでなく、『ポパイ』にまで登場する盛り上がり様。
 そんな旬な時期に発表されたのが『ヘブン・アンド・アース』(右画像)。天国と地球・・・・。スケールが大き過ぎて何が言いたいのかイマイチ伝わってきませんが、“その筋”のド真ん中なタイトルに、この人の本気と天然を感じます。
 “その筋”とは、後期コルトレーン、サン・ラ、ファラオ・サンダース、ジョージ・クリントンなど、地球を越え遥か彼方の銀河にまで想いを馳せ、目に見えないモノと交信し、最後には宇宙船に乗ってしまう人たちのことです。
 初期症状としては、ジャケットに太陽や地球、古代神などがあしらわれ、サウンド面では鈴が鳴り響くといった特徴が挙げられます。そして、そのまんま宇宙船のイラストが描かれたり、ド派手な衣装をまとってインパクトのあるポーズをキメたりして、奇妙な電子音を鳴らしはじめたら、仕上がったなと思っていただいて結構です。新作のジャケットを見ると、カマシはここ何十年間お目にかかることのなかった強者に仕上がったといえるでしょう。

 と言いながら、僕はまだ『ヘブン・アンド・アース』を聴いていません。レビューを読むと、なかなか好評な様子。待望の新作が出たにもかかわらず聴いていないのは、お小遣いが底尽きただけでなく、ちょっと前に出たミニアルバム(といっても6曲収録されています)『ハーモニー・ディファレンス』があまりにも素晴しかったから。「しばらくはこの音に浸っていたい」という感動がわき上がってくると同時に、「これをどうやって超えるの?」という不安を抱いてしまうくらいの出来栄え。傑作です。
 単なるスピリチュアルジャズの焼き直しではなく、ヒップホップやポストロック的な感覚も血肉化し、進化したモダンミュージックになっているところが凄い。こうした音をつくりあげたのは本人の才能はもちろん、今作に参加しているサンダーキャットやテラス・マーティン、マット・ヘイズ(この人のギターも素晴しい)といった、同時代のミュージシャンの存在も大きいといえるでしょう。
 そんなカマシがサマソニにやって来るということで慌ててチケットを買ったら、大阪は別日の公演! 少ない小遣いを削って観に行くか悩み中です。それにしてもサマソニ大阪、東京と比べて随分ショボくないですか?

posted by ichio