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2016.03.12

狂気のティスクガイド

160312北朝鮮ご自慢のガールズバンド「モランボン楽団」のインパクト冷めやらぬタイミングで、ディープなディスクガイドが出ました。
その名も『共産テクノ ソ連編』(四方宏明)。タイトルの通り、冷戦時代のソビエト連邦で製造されたテクノポップ〜ニューウェイブ系のアルバムがズラリと紹介されています。
“共産主義とテクノポッブ(90年代以降のテクノではございません)” って、一見“ノ○ピーと覚せい剤”に似たような現代アート的なミスマッチ感がありますが、YMOが中国の人民服やナチを連想させるコスチュームを着たように、テクノポップは共産主義や全体主義のイメージを利用することがままありました。
おそらく無機質なマシンビートと人間的な感情を否定する共産圏のお国柄を重ね合わせたり、宇宙開発をはじめとする科学技術のアピールや未来志向がキッチュに見えたりしたことが理由だと思われます。
しかし、本物の共産主義国が資本主義国と火花を散らせていた時代に、ピコピコしたテクノポップをつくっていたとは。しかもイギリスや日本、アメリカなどが共産主義国をパロったレコードジャケットのデザインを、本家がパクり返すというねじれ具合。これ、武田鉄矢が金八先生のモノマネをする芸人に引っ張られてどんどん基本が崩れていくのを見る以上に、変な感覚になります。

表紙から放射される熱でお分かりいただけると思いますが、この本はモランボン楽団人気にあやかって、ちゃちゃっとネットでリサーチして作ったような底の浅いものではなく、筋金入りのテクノポップマニアである著者が2014年に“共産テクノ”というコンセプトを掲げて以来、手間ひまをかけて練り込んだ濃い内容となっています。正直、情報量だけでなく、一寸の隙も許さない潔癖性的な文章に狂気すら感じます。(念のためにお断りしておきますが、著者はそっち方面の支持者ではないとのこと)
“共産テクノ”というコンセプトを掲げた当時、サイトで『ニセドイツ』や『共産主婦』など、共産趣味を題材にした本を出しているパブリブという出版社に書籍化のラブコールを送っておられたようなのですが、その甲斐あって本書はそこから出版されたようです。
ところで、ここで紹介されているアルバムって、どこで買えばいいんですかね。

posted by ichio