オレの説
世の中には「ホントですか?!」と声があげるような真実味のあるものから「それはない」という眉唾レベルのものまで、さまざまな説があります。実は僕もかなり自信のある説をもっておりまして、今回は特別に紹介いたしましょう。この説を拡散すると世の中がザワつくことになるので、どんなに衝撃を受けても、そっと自分の胸の内にしまっておいてください。それでは発表します。
“オレが観る映画には、必ずサミュエル・L・ジャクソンかリリー・フランキーが出ている”
いかがでしょうか。かなりの人が「その通り!」と、ひざを叩いたと思います。
別にこの二人を目当てに観たワケではないのに、映画がはじまってしばらくするとヌルッと出てきて、主役を喰うインパクトを残していく。そんな居酒屋メニューにおけるナマコ酢のような存在。
実際に二人の出演作を調べてみたところ、8割から9割程度は観ている。この人たち目当てで観ていないにもかかわらず、これだけ高い確率でヒットするのであれば、もはや赤の他人とは言えません。
二人に共通するのは、基本的にはクセのある脇役で、作品によっては主役格の役もこなすところ。そして、これまたクセの強い監督や、とんがった作品に多く出演しているところも似ています。リリー・フランキーさんについては完全にかつての“岸部一徳枠”を独占しており、しばらくは敵なし状態がつづきそうです。あの爬虫類的な佇まいは唯一無二で、強烈な中毒性がある。僕のなかのベスト・オブ・リリー・フランキーは、『SCOOP!』のチャラ源です。映画を観終わった時、あのクスリ漬けのヤバい顔しか印象に残っていません。
サミュエル・L・ジャクソンは、リリー・フランキーさんに比べて作品や役の幅が広く(というか節操がない)、飛行機の中で大量のヘビが逃げだすパニックムービー『スネーク・フライト』や、理想の交尾相手を求めて旅する『童貞ペンギン』など、相当くだらないものにも出ています。サミュエル・L・ジャクソンがこれまで演じた膨大な役のなかで最も有名な役といえば、やはり『パンプ・フィクション』のギャング、ジュールス・ウィンフィールドでしょう。もちろんこの役も好きですが、個人的には『ディープ・ブルー』の製薬会社の社長や『キングスマン』のIT長者がベスト。
お二方には、これからも“オレが観るすべての映画”に出演しつづけてほしいものです。