ジョン・カーペンター降臨
ついこの前まで“ホラー映画の帝王”、いや“映画界のD.I.Y.大将”ことジョン・カーペンターの名作を上映する、『ジョン・カーペンター レトロスペクティブ2022』が開催されておりました。今回上映作されたのは、『ニューヨーク1997』、『ザ・フォッグ』、『ゼイリブ』の3本。
サイコー!やないですかッ!! 年のはじまりを漢の魅力あふれるスネークと過ごせるなんて。
残念ながら僕は仕事が忙しくてスルーするしかなく、ハンケチをギリギリ噛んでいたところ、とんでもなくイカすパンフレットが発売されていることを知り、すぐさまゲット。
なんと、VHSのパッケージに見立てた仕様になっているではありませんか。これは、単に公開された時代がビデオ最盛期だったということだけでなく、“ビデオ”というどこか手作り感とキッチュ感漂うメディアと、D.I.Y.精神あふれるカーペンターの特性との親和性を考えてのことでしょう。
キッチュ感に関しては、彼の作品のどこを切っても漏れ出てきますが、その中でも特に『ゼイリブ』での、まるで延びきったうどんのように弛緩したケンカシーンは特筆に値します。(ケンカの結末自体もヌルっと終わります)
このシーンを最後まで見届けられるかどうかで、カーペンター作品のトリコになるか、今後一切スルーするかが決まるのではないでしょうか。今のコマ落としをしたスピーディーなアクションシーンに馴染んだ若い人が、どう感じるのかすごく興味があります。
話をパンフレットに戻すと、魅力はほぼほぼ外身。
ちなみに中身は、ポストカード16枚と、黒沢清監督をはじめとするカーペンターファン5人の文章。特に文章は5人合わせてペラ紙1枚。読みはじめたら終わってしまうボリュームで残念。ポストカードも、もう一捻りしたものにしてほしかった・・・・。でもまぁ、ここ最近ではいちばん心がざわついたアイテムです。